研究領域 | 水圏機能材料:環境に調和・応答するマテリアル構築学の創成 |
研究課題/領域番号 |
20H05206
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤野 智子 東京大学, 物性研究所, 助教 (70463768)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 金属錯体 / 薄膜 / OFET / 両親媒性分子 / 配向分極 / d-π共役系分子 / 分極分子 |
研究開始時の研究の概要 |
高性能・高安定なOFETデバイスの実現によるエレクトロニクスデバイスの技術革新を目的とし,両親媒性の極性ニッケル錯体の水表面での同一配向化を活用したOFET用中間層の開発を目指す.極性分子の水表面環境での配向分極状態をLangmuir-Blodgett(LB)法によって電極表面に転写して中間層を構成する.一義構造をもつ単一有機分子を中間層材料に用いることで,その高秩序積層による界面分極の高効率化や半導体材料との接触抵抗の軽減が期待でき,高伝導性・高安定性を獲得できると期待できる.詳細な構造解析と物性評価を行い中間層による界面分極機構や伝導促進機構を解明し,新物理現象の発見を目指す.
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研究実績の概要 |
有機電界効果トランジスタ(OFET)はソース・ドレイン・ゲート電極,絶縁層,有機半導体層からなる多層から構成される.高輸送性発現・高再現性の実現のためには,各層の高秩序配向化や,層間での接触抵抗の低減が必須である.本研究は,両親媒性分子が水-有機溶媒界面で示す特異な分子配向状態を基板に転写するLangmuir Blodgett(LB)法の活用により,高秩序な分極配向膜を作製することで,電極-有機半導体の界面分極を誘起する中間層材料や,高秩序半導体層としての活用が可能となることに着目したものである.本研究期間に,ニッケル錯体塩のカウンターカチオンに疎水性置換基を導入した新規のニッケル錯体を開発し,その薄膜化ならびにOFETデバイスへと応用した.昨年度は,新規両親媒性ニッケルジチオレン錯体のグラムスケールでの量的供給法を確立した.今年度は,昨年度から継続して領域内計画班と密接に連携しつつ,高秩序薄膜形成のための条件の精査を行った.実際に,高輝度微小角X線回折測定からπスタック構造からなる高秩序な錯体塩薄膜を構築できていることを確認した.さらにその配向は,ソース・ドレイン電極間での電荷輸送を可能とするのに適した配向であることも明らかにしている.この薄膜は酸化することで,中性化でき,これを半導体層として挿入したOFETデバイスにおいて,実際に半導体的挙動を確認しつつある.さらなる薄膜化条件・酸化条件の精査によって,高移動性のアンバイポーラー薄膜材料の実現が期待される.さらに,合成した錯体アニオン塩のカウンターカチオンの構造多様化により,水中での水和結晶やベシクルの構築を行った.その構造体の温度依存的な動的変化を捉え,その光学応答も明らかにすることができた.
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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