研究領域 | 水圏機能材料:環境に調和・応答するマテリアル構築学の創成 |
研究課題/領域番号 |
20H05207
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
南 豪 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (70731834)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 水ゲートトランジスタ / アニオン認識 / ポリチオフェン / インバータ回路 / 有機トランジスタ / π共役高分子 / インバータ / 水 / 水ゲート型有機トランジスタ / イソチオウロニウム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,水を構成部材とし,水圏で機能する有機デバイスの創製及び分子認識に基づくインバータ回路制御を試みる.その具体的アプローチとして,アニオン類に対する認識能を持つ官能基を導入したポリチオフェン誘導体を用いて水ゲート型有機トランジスタを作製し,水圏中に存在する当該アニオン類の検出を試みる.標的種の種類,濃度に付随したトランジスタ特性変化が確認された後,本デバイスを用いてインバータを構築する.これまでの回路制御とは全く異なる「分子認識でインバータの制御を行う」本提案は,分子認識化学,高分子化学,有機エレクトロ二クスとの融合によって,水圏で機能する新たな分析技術の開発に繋がると確信する.
|
研究実績の概要 |
有機電界効果トランジスタ (OFET) は水環境下では脆弱であることから,不活性ガス雰囲気下での駆動が一般的である。すなわち,水圏において標的種検出を行う化学センサへの応用は根本的に不向きであるとされてきた。そこで我々は,有機デバイスの可能性を最大限に引き出すために,水自体をOFETの構成部材とした水ゲート型OFET (WG-OFET) を活用した化学センサデバイスを開発した。本研究では,当該デバイスのセンシング能を評価するために,分子認識化学分野において難度が高い試みとなる完全水圏中でのアニオン種認識に挑戦した。除草剤グリホサートは,環境や人体への影響が懸念されている背景から,近年一部の欧米諸国で使用が制限されてアニオン種である。そこで,当該種の高感度な検出を指向して,分子認識能を賦与したポリチオフェン誘導体を用いたWG-OFET型センサを開発した。本デバイスは,半導体界面で生じる僅かなイオンの吸脱着の変化を鋭敏に読み出すことが出来る。期待通り,作製したWG-OFETは標的種の濃度増加に伴って電流値の減少を示した。本センサを用いて12種のアニオン類に対する選択性を調査したところ,標的種に対して最も大きなトランジスタ特性変化を示し,高感度かつ高選択的にグリホサートを検出することに成功した。続いて,当該センサにマイクロ流路を実装した連続モニタリング用センサの実現を目指した。作製したマイクロ流体デバイスを用いて,連続測定を試みたところ,標的種の濃度増加に伴った連続的な電流値の減少を観測した。すなわち,高分子半導体材料の界面を活かしたセンサ設計にマイクロ流体技術を組み合わせることで,水圏機能デバイスに連続モニタリング可能な分析ツールとしての新たな側面を引き出すことを見出した。更なる展開として,本センサをインバータへと展開し,分子認識をトリガーとした電子回路の制御にも成功している。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|