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強相関準・近似結晶の偏光制御光電子分光による電子物性における軌道対称性の役割

公募研究

研究領域ハイパーマテリアル:補空間が創る新物質科学
研究課題/領域番号 20H05271
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関大阪大学

研究代表者

関山 明  大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40294160)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
キーワード光電子分光 / 強相関電子系 / 準結晶 / 近似結晶 / 希土類化合物 / 強相関
研究開始時の研究の概要

準結晶・近似結晶に長距離の並進対称性はないものの、3次元空間での波数が意味のある物理量になっていることは論理的には不思議ではない。しかし、3次元空間における原子軌道においては補空間を加えた高次元構造は考えにくいため、準結晶・近似結晶において軌道対称性が物性に果たす役割は自明ではないように思われる。本研究課題では強相関不完全殻を有する強相関準結晶・近似結晶の偏光制御光電子分光による電子構造観測を通じて電子物性における軌道対称性の役割を明らかにすることを目的として研究を進め、強相関電子系の視点と微視的電子構造研究の観点からハイパー物質の研究に貢献することを目指す。

研究実績の概要

準結晶・近似結晶における物質開発は希土類元素を含んだ系でもYb系準結晶における超伝導の発見、Tb系準結晶での強磁性など発展があり注目を集めている。この中でCeを含んだ準結晶の数は少ないなか、近年合成に成功したCe-Au-Ga系近似結晶のバルク敏感な硬X線Ce 3d内殻光電子分光を行ったところ、両者とも4f電子状態が極めて局在的なスペクトル形状であった。一方で、局在的な4f不完全殻を有するサイトの内殻光電子スペクトルに特徴的な3d94f1終状態多重項構造が大きくぼやけていた。これはCe 3d内殻ピーク幅がeVスケールで広くなっていることに由来するが、その起源を解明すべく、古くから知られてchemical disorderのない2元系のCd-Ce近似結晶の内殻光電子分光を行うと、この系では明確な3d94f1終状態多重項構造が観測された。これにより、Ce-Au-Ga系近似結晶におけるchemical disorderが本質的にCe 4f電子構造ひいては価電子全般に影響を与えていることが判明した。また、相対的に広いピーク幅は軟X線光電子分光によって得られたCe-Au-Ga系近似結晶とAu単体のAu 4f内殻光電子スペクトルでも同様に観測された。
さらに我々は励起エネルギーが8.4 eVと低い極低エネルギー光電子分光を分解能10 meVの高分解能で測定した。準結晶においてはこれまで光電子分光でフェルミ準位ごく近傍におけるスペクトル強度の抑制(これを「擬ギャップ」とも呼んでいる、但しフェルミ端そのものは明確に見えることも多い)が報告されているがCe-Au-Ga系においてもわずか(直線的な外挿から10-20%程度の減少)であるが擬ギャップ的な状態が観測された。擬ギャップ的な状態がわずかしか観測されなかった原因としては上述のchemical disorderの影響と考えられる。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 学会発表 (8件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 共鳴硬X線光電子分光による価数揺動系物質α-Yb(Al1-xFex)B4の電子構造解析2022

    • 著者名/発表者名
      西岡拓真ほか
    • 学会等名
      日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウム
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 硬X線内殻・価電子帯光電子分光によるAu-Ga-Ce 1/1近似結晶中の電子状態研究2022

    • 著者名/発表者名
      野末悟郎ほか
    • 学会等名
      日本放射光学会年会・放射光科学合同シンポジウム
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] Au-Ga-CeおよびCd-Ce近似結晶に対する硬X線内殻・軟X線3d-4f共鳴光電子分光2022

    • 著者名/発表者名
      野末悟郎ほか
    • 学会等名
      日本物理学会第77回年次大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] YbRh2Si2の内殻光電子線二色性による近藤一重項形成の直接的観測2022

    • 著者名/発表者名
      尾瀬朱音ほか
    • 学会等名
      日本物理学会第77回年次大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 価数揺動系物質α-Yb(Al1-xFex)B4の共鳴硬X線光電子分光2022

    • 著者名/発表者名
      西岡拓真ほか
    • 学会等名
      日本物理学会第77回年次大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] Au-Ga-Ce 1/1 近似結晶に対する温度可変光電子分光2021

    • 著者名/発表者名
      野末悟郎ほか
    • 学会等名
      日本物理学会2021年秋季大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] YbRh2Si2の内殻光電子線二色性による4f電荷分布の4回対称性観測2021

    • 著者名/発表者名
      尾瀬朱音ほか
    • 学会等名
      日本物理学会2021年秋季大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] Au-Ga-Ce 1/1 近似結晶の硬X線内殻・価電子帯光電子分光2021

    • 著者名/発表者名
      野末悟郎ほか
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [図書] Photoelectron Spectroscopy -Bulk and Surface Electronic Structures- Second Edition2021

    • 著者名/発表者名
      S. Suga, A. Sekiyama, C. Tusche
    • 総ページ数
      511
    • 出版者
      Springer Nature
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [備考] 阪大基礎工関山研

    • URL

      http://decima.mp.es.osaka-u.ac.jp/

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書

URL: 

公開日: 2020-04-28   更新日: 2022-12-28  

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