研究領域 | ハイパーマテリアル:補空間が創る新物質科学 |
研究課題/領域番号 |
20H05278
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
永井 佑紀 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 副主任研究員 (20587026)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ハイパーマテリアル / 自己学習ハイブリッドモンテカルロ法 / 分子シミュレーション / 機械学習 / 準結晶 / 機械学習分子シミュレーション / 超伝導 |
研究開始時の研究の概要 |
準結晶に対する機械学習分子シミュレーション手法を確立し、準結晶の有限温度物性の解明を目指す。特に、Al-Zn-Mg準結晶における超伝導現象の解明のため、準結晶中のフォノンの温度依存性を調べる。第一原理分子動力学法は時間ステップごとに第一原理計算を行う必要があるため、近似的準結晶ですら計算を行うことは困難であった。本研究では、第一原理分子動力学法と厳密に同じ精度を保証する機械学習分子シミュレーション手法「自己学習ハイブリッドモンテカルロ法(SL-HMC)」を用い、準結晶の有限温度分子シミュレーション法を確立し、ハイパーマテリアルの安定性や有限温度相図を議論する。
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研究実績の概要 |
準結晶あるいはその近似結晶(準結晶に似た結晶構造ではあるが周期的な結晶)を理論的に取り扱うためには、実空間の非一様性をうまく取り入れた計算が必要である。本研究では、準結晶やその近似結晶の物性を計算するために、効率的なシミュレーション手法を開発することが目的である。その為、近年我々が開発している自己学習ハイブリッドモンテカルロ法という手法を用いて、機械学習分子シミュレーションを行うこととした。自己学習ハイブリッドモンテカルロ法では、効率的にニューラルネットワークを作ることができるため、得られたニューラルネットを機械学習分子動力学シミュレーションに用いることで、巨大な系を高速にシミュレーションすることが可能である。そこで、この手法を準結晶およびその近似結晶に対して適用を行った。 具体的には、対象とする物質系として、計画班の木村グループが合成しているAl-Pd-Ruを選んだ。このAl-Pd-Ruは準結晶のほかに、近似レベルが異なる二種類の近似結晶が合成されている。また、理論的にはもう一つの近似結晶の存在が知られている。そこで三種類の近似結晶においてニューラルネットワークの構築を試みた。 構築したニューラルネットワークの妥当性は自己学習ハイブリッドモンテカルロ法によるシミュレーション結果と分子動力学法のシミュレーション結果を比較して評価した。これは、自己学習ハイブリッドモンテカルロ法が元の第一原理計算分子動力学法と同じ精度を持つことを利用するものであり、さらに、別の物質で、通常の固体と同じように比熱がデュロンプティ則に従う系を用意し、比熱を計算し、実験で測定された比熱の温度依存性を定量的に再現することを示した。これらの結果は、ハイパーマテリアルの有限温度物性を調べる上で重要である機械学習分子動力学シミュレーション手法を確立できたことを意味し、今後の新学術領域の発展に寄与するものである。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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