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統計物理・第一原理計算連携シミュレーションによる蓄電固体界面の熱力学解析

公募研究

研究領域蓄電固体デバイスの創成に向けた界面イオンダイナミクスの科学
研究課題/領域番号 20H05284
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関山形大学

研究代表者

笠松 秀輔  山形大学, 理学部, 助教 (60639160)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード蓄電固体界面 / 第一原理計算 / レプリカ交換モンテカルロ法 / 統計熱力学 / ニューラルネットワーク / 拡張アンサンブル法 / 大規模並列計算
研究開始時の研究の概要

燃料電池、蓄電池、エレクトレットなどの蓄電固体デバイスの開発において、異なる物質が互いに接する界面の性質を理解し、制御していくことが、デバイス性能や耐久性の向上を目指す上で必要不可欠である。本研究では、界面の性質を量子力学と統計熱力学の原理から解き明かすためのシミュレーション手法およびプログラムの開発を行う。最終的には、開発したシミュレーション手法の実施を通して、デバイス開発指針を提案していくことを目指す。

研究実績の概要

第一原理計算、機械学習、統計熱力学計算を連携させる独自の第一原理ベース統計熱力学計算手法を開発し、Pt/イットリア安定化ジルコニア界面に適用し、スーパーコンピュータ「富岳」をフル活用することで、有限温度での界面イオン分布の第一原理予測に初めて成功した。酸素空孔濃度を変化させて計算を行うことで、酸素ポテンシャルによる空間電荷層の変調を予測した。その結果、酸化雰囲気で焼結を行うと、界面にYドーパントの偏析が生じ、還元雰囲気では酸素空孔の偏析が起こることが分かった。これは、プロセス条件によって界面のショットキー障壁やバンドアラインメントを調整することができることを示唆している。また、そのようなイオンの偏析は界面から1 nm程度の非常に短い領域で生じることが分かった。したがって、実験でしばしばみられるマイクロメートルスケールの組成変調は、いわゆる空間電荷層効果というよりは、もう少しマクロスコピックな酸化還元反応による相変態として理解するのが適当であると考えられる。

また、領域内連携の一環として、標準単結晶試料として共有されているLa_xLi_yNbO3の第一原理計算を行い、Liイオンの分布や拡散障壁を調べた。この物質はc軸方向にLa-rich層とLa-poor相が交互に存在することが知られているが、LiもLa-rich層に遍在することが分かった。さらに、ab面内の拡散に比べて、c軸方向の拡散のエネルギー障壁が高くなることを明らかにした。得られた活性化エネルギーは脱分極測定で得られているいくつかの分極過程のエネルギーとも整合するものとなっている。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 5件)

  • [雑誌論文] 結晶材料中の不規則原子配置のモンテカルロサンプリング2021

    • 著者名/発表者名
      Kasamatsu Shusuke
    • 雑誌名

      日本神経回路学会誌

      巻: 28 号: 1 ページ: 12-39

    • DOI

      10.3902/jnns.28.12

    • NAID

      130008021514

    • ISSN
      1340-766X, 1883-0455
    • 年月日
      2021-03-05
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 第一原理計算・機械学習・統計物理連携フレームワークによる複合酸化物中の欠陥秩序解明2022

    • 著者名/発表者名
      笠松秀輔
    • 学会等名
      スーパーコンピュータ「富岳」成果創出加速プログラムシンポジウム富岳百景・研究交流会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 第一原理・機械学習・統計熱力学連携計算による複合酸化物バルクおよび界面近傍における原子配置(不)規則性の解明2021

    • 著者名/発表者名
      笠松秀輔
    • 学会等名
      第41回電子材料研究討論会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Pt/YSZ界面の空間電荷層の第一原理基統計熱力学モデリング2021

    • 著者名/発表者名
      笠松秀輔
    • 学会等名
      第47回固体イオニクス討論会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 複合酸化物バルクおよび界面イオン分布の第一原理基統計熱力学シミュレーション2021

    • 著者名/発表者名
      笠松秀輔
    • 学会等名
      第31回日本MRS年次大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 高並列第一原理熱力学サンプリングによるセラミックス電解質中の配置不規則性の解析2020

    • 著者名/発表者名
      笠松秀輔
    • 学会等名
      電気化学会東北支部第33回若手の会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 拡張アンサンブル法・第一原理計算結合フレームワークによる固体中の配置不規則性の大規模サンプリング2020

    • 著者名/発表者名
      笠松秀輔
    • 学会等名
      物性研究所スパコン共同利用・CCMS合同研究会「計算物質科学の新展開2020」
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 招待講演

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2022-12-28  

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