研究領域 | マルチモードオートファジー:多彩な経路と選択性が織り成す自己分解系の理解 |
研究課題/領域番号 |
20H05309
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
魏 范研 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90555773)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | RNA / RNA修飾 / 核酸代謝 / オートファジー / 化学修飾 / 分泌 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、細胞内小器官のみならず、リボソームRNA (rRNA)といった核酸も選択的オートファジーにより分解され、飢餓状態での細胞生存に寄与することが明らかになりつつある。本研究は、rRNAやtRNAの分解で生じる多様な修飾ヌクレオシドが細胞外に分泌されるという現象に着目し、オートファジーよる修飾ヌクレオシドの産生と分泌の分子機構、更には液性因子としての作用を解明することにより、「オートファジーにより細胞外へ分泌される修飾ヌクレオシドは他の細胞に情報を伝える新しい概念の液性因子である」という概念の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
RNAは多様な化学修飾を含んでおり、転写後の遺伝子発現に不可欠である。一方、ほとんどのRNA修飾は脱修飾をされないため、RNAが1塩基まで代謝された後でも存在する。しかし、修飾を含むRNA塩基、すなわち修飾ヌクレオシドがどのような経路で細胞外に放出され、細胞外においてどのような作用を有するかが不明である。そこで本研究ではRNA分解後に生じる修飾ヌクレオシドの分泌機構ならびに細胞外における修飾ヌクレオシドの作用の解明を目的とした。 修飾ヌクレオシドの分泌機構について古典的な未修飾ヌクレオシドのトランスポーターであるENTファミリーに着目し、ENT1/2のノックアウト細胞を作成し細胞内外における修飾ヌクレオシドの動態を検討した結果、ENT1/2のノックアウト細胞内において修飾ヌクレオシドの顕著な蓄積が認められた。また、修飾ヌクレオシドが過剰に蓄積しているENT1/2欠損細胞では栄養条件に関わらずオートファジー応答が顕著に上昇し、野生型細胞ににおいて修飾ヌクレオシドの投与がオートファジーの強い応答を見られた。以上のことから、ENT1/2が修飾ヌクレオシドのトランスポーターであること、そして修飾ヌクレオシドがオートファジーを誘導しうることが示された。 一方、細胞外における修飾ヌクレオシドの作用を明らかにするため、修飾ヌクレオシドによるGPCRの活性化を網羅的に検討した。その結果、修飾ヌクレオシドの一種であるm6Aがアデノシン受容体の一種であるA3受容体を強力に活性化できることを発見した。m6AによるA3受容体の活性化は肥満細胞の脱顆粒を促進し、生体においてアレルギー応答ならびにサイトカインの発現更新を誘導した。これらの結果から、細胞外に分泌された修飾ヌクレオシドの一部は、液性因子として細胞機能を制御しうることが示された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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