研究領域 | マルチモードオートファジー:多彩な経路と選択性が織り成す自己分解系の理解 |
研究課題/領域番号 |
20H05319
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 宏明 京都大学, 医学研究科, 助教 (90738006)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | フェリチン / NCOA4 / 相分離 / 鉄 / フェリチノファジー / オートファジー |
研究開始時の研究の概要 |
複数あるオートファジー経路の中でも、後期エンドソームやリソソーム膜が陥入することで細胞質の基質をリソソームへと運ぶミクロオートファジーの分子機序は十分には解明されていない。申請者の所属研究室では鉄貯蔵タンパク質フェリチンが、鉄欠乏時には一般的なマクロオートファジー経路で、鉄過剰時にはミクロオートファジーによりリソソームへ輸送されることを見出してきた。上記背景の元、鉄過剰時のフェリチン分解を指標に全遺伝子を対象としたCRISPRスクリーニングを行い、制御因子を多数同定した。本研究ではそれら因子の詳細な解析を行い、ミクロオートファジー経路の分子機構、生理的意義の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
鉄は生命にとって必須の微量金属ですが、過剰に存在すると毒性を発揮するため、細胞内鉄は厳密に制御されています。鉄貯蔵タンパク質であるフェリチンは、細胞内の鉄を安定に貯蔵することで鉄代謝を調節する重要なタンパク質です。フェリチンは鉄欠乏時にマクロオートファジーでリソソーム分解を受け、貯蔵鉄が利用されることが知られていました。しかし、我々は鉄過剰時にも恒常的にフェリチンがATG7非依存的なオートファジー経路で分解されることを報告していました。フェリチンのオートファジーレセプターであるNCOA4は鉄過剰時にユビキチン・プロテアソーム系によって分解されることが報告されていました。しかし詳細に検討した結果、NCOA4の量的変化は少なく、鉄過剰時にNCOA4に存在する天然変性領域に鉄が結合することで相分離によりゲル化し、鉄過剰初期においてはフェリチンの分解を抑制することを見出しました。一方で鉄過剰状態が遷延した場合は、ゲル化したNCOA4がフェリチンと結合することでオートファジーレセプターであるTAX1BP1によって認識され、リソソームへ輸送・分解されることで鉄量を緻密に制御していることを見出しました。TAX1BP1は鉄過剰時のフェリチン分解に寄与する一方、鉄欠乏時に可溶化しているNCOA4とフェリチンの分解には必須ではなく、鉄依存的にNCOA4が生化学的性質を変化させることでオートファジー経路が変化していることを見出しました。以上より、フェリチン、NCOA4、鉄の3者によるフェリチン分解機構、鉄代謝調節の新たな一面を明らかにすることが出来ました。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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