研究領域 | マルチモードオートファジー:多彩な経路と選択性が織り成す自己分解系の理解 |
研究課題/領域番号 |
20H05320
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井垣 達吏 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (00467648)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
8,970千円 (直接経費: 6,900千円、間接経費: 2,070千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | 細胞競合 / オートファジー / 細胞死 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞競合とは、組織中に生じた変異細胞や異常細胞が周囲の正常細胞との相互作用を介して排除される現象である。例えば、組織中で隣り合う細胞間でタンパク質合成能に差が生じると、タンパク質合成能の低い細胞が競合の「敗者」となり、オートファジーを活性化して細胞死を起こして排除される。本研究では、この敗者細胞でのオートファジー活性化の機構、およびオートファジー活性化が細胞死を誘導する機構を明らかにすることで、細胞競合の分子機構の全貌解明を目指す。
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研究実績の概要 |
発生中のショウジョウバエ上皮組織において、隣り合う細胞間にわずかな性質の差が生じた際、細胞間相互作用を介して一方の細胞に細胞死が誘導される現象が存在し、細胞競合と呼ばれている。例えば、RNAヘリカーゼHel25E遺伝子の発現量が低下した変異細胞が正常細胞に近接すると、細胞競合の敗者となって排除される。我々は最近、このような細胞競合の実行にオートファジーが中心的な働きをすることを見いだした。具体的には、正常細胞(勝者)に近接する変異細胞(敗者)でオートファジーが活性化し、これがNFkBを介して細胞死遺伝子hidの発現を誘導することを見いだした。そこで本研究では、細胞競合の敗者細胞がオートファジーを活性化する機構、およびオートファジーの活性化がNFkB依存的にhidを発現誘導する機構を明らかにすることを目指した。これまでに、ショウジョウバエ上皮においてタンパク質合成能の低下を引き起こす種々の変異細胞がオートファジー依存的な細胞競合を誘導すること、また細胞競合の勝者となるがん抑制経路Hippo経路の変異細胞が隣接する正常細胞(敗者)にオートファジーを誘導して細胞死を起こすことを見いだした。さらに、Hippo経路変異細胞が近接する正常細胞にオートファジーを誘導するのに必要な因子として、Hippo経路の下流で活性化される転写共役因子Ykiおよびそれにより発現誘導されるmicroRNA bantamを同定した。そして、bantamによるTOR経路の活性化が、隣接する正常細胞にオートファジーを誘導するのに必要であることを見いだした。さらに、Hel25E変異により誘導される細胞競合のモデル系を用いて、細胞非自律的なオートファジー誘導に必要な複数の遺伝子候補を同定することにも成功した。今後の遺伝学的解析により、細胞競合時に引き起こされる細胞非自律的オートファジーの誘導機構の全貌解明に迫る。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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