研究領域 | 全能性プログラム:デコーディングからデザインへ |
研究課題/領域番号 |
20H05367
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
原 昌稔 大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (30565099)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 卵賦活化 / 母性mRNA翻訳調節 / ショウジョウバエ / 母性mRNA / 翻訳調節 |
研究開始時の研究の概要 |
卵母細胞は、受精すると、その刺激により活性化 (賦活化) され、全能性を獲得し、胚発生を開始する。この全能性獲得のためには、卵内の遺伝子発現パターンが、卵母細胞としての分化した状態から、未分化の状態へと大きく変わらなければならない。しかし、この時期に、多くの生物ではゲノムDNAからのmRNA転写が起こらない。そのため、遺伝子発現パターンの変化は、mRNA転写後の調節に大きく依存する。この際、重要な調節のひとつが、母性mRNAの翻訳調節である。本研究では、ショウジョウバエを用いて、卵賦活化シグナルによる母性mRNA翻訳調節機構を明らかにする。それにより、全能性獲得プログラムの理解を目指す。
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研究実績の概要 |
高度に分化した卵母細胞は、受精により賦活化されると、未分化状態へとリプログラムされ全能性を獲得する。本研究では、この劇的な変化が、いかにして起こるかを理解するために、ショウジョウバエをモデル系として、卵賦活化による母性mRNAの翻訳調節機構の解析を行った。 ショウジョウバエの卵賦活化における母性mRNA翻訳調節では、PNGキナーゼが必須な役割をはたす。しかし、PNGがどのように母性mRNAの翻訳調節をもたらすかは、ほとんど不明である。そこで、このことを明らかにするために、PNGの活性制御因子の一つであるGNUに着目した。 卵内におけるGNUの局在を見てみると、RNP顆粒様な細胞質顆粒を形成していた。そこで、GNUとともにそこに局在する因子が、PNGの基質として翻訳調節に関与するのではないかと考え、それらの同定を試みたところ、RNA結合タンパク質であるBIC-Cが同定された。さらなる解析から、GNUはBIC-Cと直接結合すること、GNUはBIC-Cとともに顆粒状の局在を示すことおよび、その局在には、BIC-Cが必要であることが明らかとなった。 BIC-Cはin vitroでPNGキナーゼによって直接リン酸化される。また、卵賦活化刺激によりPNGとGNUが結合することが明らかとなっている。これらのことと、今回の結果とをあわせると、GNUはBIC-CとともにRNP顆粒に局在しており、卵賦活化時に、PNGと結合することで、PNGを活性化するだけでなく、自身が局在するRNP顆粒に呼び込み、PNGの基質であるBIC-Cにターゲッティングする足場として重要な役割を果たすと言える。それにより、BIC-CがPNGによりリン酸化されると母性mRNAの翻訳調節がもたらされ、卵賦活化がリプログラムされると考えられる。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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