研究領域 | 全能性プログラム:デコーディングからデザインへ |
研究課題/領域番号 |
20H05376
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
京極 博久 神戸大学, 農学研究科, 助教 (20726038)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
|
キーワード | 核サイズ / 受精卵 / メチル化 / スケーリング / 全能性 / 前核 / サイズ / ヒストン / マウス / 初期胚 / ヒストンメチル化 |
研究開始時の研究の概要 |
受精卵は精子から形成される雄性前核、卵子から形成される雌性前核と呼ばれる2つの大きな核を形成し全能性を獲得していく。多くの哺乳類で、雄性前核の方が雌性前核よりも大きく異なったヒストン修飾状態を持つことが知られている。しかしながら、雌雄前核のサイズの違いを生み出す要因や、その生物学的意味はほとんど分かっていない。そこで、本研究では、受精卵における前核サイズの雌雄差が、異なったヒストン修飾状態の核を同一細胞内で制御し全能性を獲得するために寄与しているのではないかという仮説を証明し、その詳細なメカニズムを解明する。
|
研究実績の概要 |
受精卵は精子から形成される雄性前核と卵子から形成される雌性前核と呼ばれる2つの大きな核を形成します。多くの哺乳類で,雄性前核の方が雌性前核よりも大きく異なったヒストンメチル化修飾状態を持つことが知られている。しかしながら,雌雄前核のサイズの違いを生み出す要因や,その生物学的意味はほとんど分かっていない。そこで,本研究では,受精卵の核サイズの違いが,異なったヒストンメチル化修飾の状態を同一細胞内で適切な状態に保つのに必要ではないかと仮説を立て研究を行った。これまでの研究成果から,雄性前核が核質材料を奪うことで,雌性前核の核サイズを小さく保ち,ヒストンメチル化レベルが必要以上に低下するのを防いでいることが明らかとなりました。次に,受精卵が異なるサイズの2つの核を形成することの生物学的な意味を明らかにするため、卵子の紡錘体近くへ顕微授精することによって、雌雄の前核が融合した1前核胚(1PN胚)を人工的に作り出し,胚盤胞および産仔への発生率を調べた。その結果,1PN胚の胚盤胞および産仔への発生率は通常の2前核胚(2PN胚)に比べて優位に低下していた。また,前核が融合し核サイズが大きくなったことによりヒストンメチル化レベルも優位に低下していた。さらに、余剰な核を形成させることでサイズを小さくした1前核を形成させた胚や阻害剤により1PN胚のメチル化レベルを回復させた1PN胚は発生能が回復することが明らかとなった。これにより、受精卵においてサイズの異なる2前核を形成することにより、細胞内競争を通して雄性前核が雌性前核からヒストンメチル化を下げる分子を奪うことによって、雌性前核が高いヒストンメチル化状態を維持し効率よく全能性を獲得することができるという説を提唱することができる。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|