研究領域 | 多様かつ堅牢な細胞形質を支える非ゲノム情報複製機構 |
研究課題/領域番号 |
20H05377
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
廣瀬 哲郎 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (30273220)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | RNA / エピジェネティックス / 核構造・機能 / 遺伝子発現調節 / 細胞小器官 / エピジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳類細胞の核内には膜を持たない構造体が存在し遺伝子発現の重要な基点として働いている。こうした構造体は、非コードRNAを骨組みにして相分離という物理現象を介して形成されることが明らかになった。そこで、本研究では2種類の相分離によって形成された構造体を取り上げ、構造体の周囲に形成されたクロマチンを含む核内構造が細胞分裂時にどのように解消され、さらに細胞分裂後に再形成されるのかを理解することを目指す。
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研究実績の概要 |
特異的な非コードRNAを骨格にして形成される核内相分離構造体の内部構造と作動機構の解析を通して、その継承機構を明らかにすることを目的として研究を実施した。前年度に引き続き、熱ストレスによって特異的に形成される核内ストレス体(nSB)の温度変化によって生じる内部変化と機能を追跡する研究をさらに進めた。前年度までに、熱ストレス後のリカバリー期になると、リン酸化酵素CLK1がnSB内にリクルートされてnSBがスプライシング制御因子のリン酸化の「るつぼ」として働き、それによって温度変化に応答したRNAスプライシングを効率良く制御していること、またnSBの骨格分子であるHSATIII ncRNAが高度にm6A修飾され、m6A修飾のリーダータンパク質YTHDC1をnSBに繋留する「スポンジ」機能によって、やはり温度依存的スプライシングを制御していることを明らかにした。今年度は、この「るつぼ」と「スポンジ」という2つの機構がお互いに独立して働いていることを、各機構のキー因子の機能阻害実験によって明らかにした。またその独立性をもたらす機構として、るつぼ機構に関わるSRSF9とスポンジ機構に関わるYTHDC1が、HSATIII主要配列のGGAAUリピートの非メチル化配列とメチル化配列にそれぞれ特異的に結合することを、in vitro RNAプルダウン実験によって明らかにした。さらに超解像顕微鏡を用いたnSB観察で、るつぼ因子とスポンジ因子はnSB構造内の異なる部位に局在していることを示すデータを得た。これによって、HSATIII ncRNAの部分的なm6Aメチル化によって、メチル化部位と非メチル化部位を起点に2つの異なるRNP装置が形成され、それぞれがるつぼ、スポンジという機構を介して、異なるpre-mRNA群の温度依存的スプライシングを制御していることが明らかになった。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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