研究領域 | 多様かつ堅牢な細胞形質を支える非ゲノム情報複製機構 |
研究課題/領域番号 |
20H05384
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山田 泰広 東京大学, 医科学研究所, 教授 (70313872)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | DNAメチル化 / DNMT3A / DNMT3B |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、DNAメチル化機構、なかでも新規DNAメチル基転移酵素DNMT3AおよびDNMT3Bに着目し、それぞれの酵素による新規DNAメチル化標的部位の領域特異性を明らかにするとともに、標的領域特異性を規定する分子基盤の解明を目指す。さらに、DNMT3AおよびDNMT3Bによる領域特異的DNAメチル化による遺伝子発現制御への関与を示し、その異常による個体発生異常や個体老化、がんなどの疾患発症機構の理解を目指す。
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研究実績の概要 |
Mek阻害剤およびGSK阻害剤存在下(2i培地)で樹立したマウス雌ES細胞では大部分のDNAメチル化が消失していることを見出した。このES細胞において新規DNAメチル基転移酵素であるDnmt3a遺伝子およびDnmt3b遺伝子を破壊した後に分化誘導することで、発生過程におけるDNMT3AとDNMT3Bにそれぞれ特異的なメチル化標的部位が同定できると考えた。2i培地で樹立したマウス雌ES細胞から、DNMT3AとDNMT3Bの欠損株を作製した。このES細胞を用いてキメラマウスを作製し、マウス胎仔線維芽細胞を樹立した。次に、樹立したマウス胎仔線維芽細胞のDNAメチル化をWGBSおよびMethylC-seqにより解析した。その結果、Dnmt3a遺伝子欠損細胞では個体発生に重要な分化関連遺伝子のDNAメチル化レベルが低下すること、Dnmt3b遺伝子欠損細胞ではX染色体遺伝子のDNAメチル化レベルが低下することが分かった。DNMT3Aは分化関連遺伝子に、DNMT3BはX染色体遺伝子に特異的にメチル基を付加することを明らかにした。また、ポリコームにより発現制御を受け、個体発生に重要な分化関連遺伝子においてDNMT3Aが特異的に結合することを見出した。DNMT3A、DNMT3BのDNA上への結合能力の違いがそれぞれの領域特異性を生み出すことが示唆された。Dnmt3a遺伝子欠損細胞でのポリコーム標的分化関連遺伝子の発現および、Dnmt3b遺伝子欠損細胞におけるX染色体遺伝子の発現はほとんど変化せず、別の遺伝子発現抑制機構の存在が示唆された。さらに、DNMT3A遺伝子変異の有無で急性骨髄性白血病(AML)におけるポリコーム標的分化関連遺伝子のDNAメチル化レベルに変化があることを示した。DNMT3A遺伝子異常はDNAメチル化異常を介してAMLの病態に関与していることが示唆された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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