研究領域 | 多様かつ堅牢な細胞形質を支える非ゲノム情報複製機構 |
研究課題/領域番号 |
20H05397
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 公益財団法人がん研究会 |
研究代表者 |
立和名 博昭 公益財団法人がん研究会, がん研究所 がん生物部, 研究員 (70546382)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
|
キーワード | ヒストンバリアント / クロマチン / H2A.Z / ヒストン / エピジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
約70%の乳がんはエストロゲン受容体(ER)を発現しており、その増殖にERをコードするESR1遺伝子の転写が必要である。ER陽性乳がん細胞においてESR1遺伝子座近傍に非コードRNAエレノアが塊(クラウド)を形成している。エレノアクラウドの消失はER陽性乳がんの細胞死を誘導するため、エレノアクラウドを中心とした非ゲノム情報ネットワークが形成されていることが分かる。本研究ではER陽性乳がん細胞のESR1遺伝子座近傍の非ゲノム情報複製機構の解析を行う。本研究は、転写制御機構の解明につながり、細胞のがん化だけではなく遺伝子発現プロファイルの変化する生命現象の理解につながることが期待される。
|
研究実績の概要 |
約70%の乳がんはエストロゲン受容体(ER)を発現しており、その増殖にERをコードするESR1遺伝子の転写が必要である。そのためERの機能阻害を誘導する抗がん剤が臨床で使用されている。しかし、これらの抗がん剤に耐性となり再発するケースが少なくない。耐性獲得機構の解明は喫緊の課題である。 我々はER陽性乳がん細胞においてESR1遺伝子座近傍に非コードRNAエレノアが塊(クラウド)を形成していることを見出している。このクラウドは再発乳がんモデル細胞において顕著である。エストロゲン類縁体の添加によりER依存的にエレノアクラウドが消失し、その結果としてESR1遺伝子の転写が抑制され、細胞死に至る。また、エレノアクラウドの消失に伴いESR1遺伝子座近傍のクロマチン構造が変化する。さらに、ER陽性乳がんのESR1遺伝子座近傍に、転写活性化に機能するヒストンバリアントH2A.Z が局在していることが分かっている。これらのことから、本研究では、ER陽性乳がん細胞においてESR1遺伝子座に形成される非コードRNAを中心とした非ゲノム情報ネットワークが複製および維持される分子機構を解析した。これまでに、ヒストンの翻訳後修飾であるアセチル化修飾を取り除くヒストン脱アセチル化酵素を阻害することにより、エレノアの転写が下がることを見出した。さらに、脱アセチル化酵素の阻害によりH2A.ZはESR1 遺伝子のgene body 上に集積するようになることが分かった。同様のメカニズムにより転写が抑制される遺伝子が複数あることも分かり、新たな転写制御機構を観察していることが考えられた。
|
現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
|