研究領域 | 身体-脳の機能不全を克服する潜在的適応力のシステム論的理解 |
研究課題/領域番号 |
20H05456
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
出江 紳一 東北大学, 医工学研究科, 教授 (80176239)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 脳卒中 / 学習性不使用 / 身体意識 / fMRI / リハビリテーション / fMRI |
研究開始時の研究の概要 |
脳卒中後の上肢麻痺の回復に使用頻度が重要とされるが、臨床上の大きな問題に学習性不使用がある。不使用の要因は多岐にわたるが、身体意識の変容が近年注目されている。申請者はこれまでに、身体特異性注意の測定法を開発し、慢性期の学習性不使用を身体意識の側面から計測した初めての知見を得た。しかし、発症から慢性期までに至る身体特異性注意、上肢使用頻度および脳機能の長期的変容やこれらの間の関係は不明である。本研究では、脳卒中患者を対象とし、上肢使用頻度と身体特異性注意をそれぞれ加速度計と心理物理的手法を用いて縦断的に計測する。また、脳の可塑的な変化をfMRIで計測し、これらの回復過程における関係を解明する。
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研究実績の概要 |
脳卒中後の上肢麻痺の回復に使用頻度が重要とされるが,臨床上の大きな問題に学習性不使用がある.不使用の要因は多岐にわたるが,身体意識の変容が近年注目されている.我々はこれまでに,身体特異性注意の測定法を開発し,慢性期の学習性不使用を身体意識の側面から計測した初めての知見を得た.しかし,発症から慢性期までに至る身体特異性注意,上肢使用頻度の長期的変容やこれらの間の関係は不明であった.本研究では,亜急性期脳卒中患者を対象とし,使用頻度と身体特異性注意をそれぞれ加速度計と心理物理的手法を用いて登録後6ヵ月まで縦断的に計測し,これらの回復過程における関係の解明を目指した.結果,上肢機能と使用頻度は研究期間内に改善を認め、身体特異性注意は個人差があるものの最初の1ヵ月で大きな変化を示した。身体特異性注意力の最初の1ヵ月の変化量は,使用頻度の登録後6ヵ月までの変化量,1ヵ月から6ヵ月までの変化量と正の相関があり,1ヵ月以降の使用頻度の変化量とより強い相関を示した.使用頻度の登録後2ヵ月までの変化量は,上肢機能の登録後2ヵ月および6ヵ月までの変化量と正の相関があった.身体特異性注意と上肢機能の間に相関はなかった.脳卒中後の上肢回復過程において,麻痺手の身体特異性注意の増加は上肢使用を促進し,上肢使用頻度の増加は上肢機能回復と関連することが示された.この結果は、上肢使用頻度を高める新たなリハビリテーション戦略の開発に貢献するものと考える.また,身体特異性注意の特性をより深く理解するために,健常者を対象に手と足の身体特異性注意を計測し,身体特異性注意と感覚運動機能の関係を明らかにした.更に,身体所有感の喪失が感覚閾値に与える影響を検討し,これらには負の相関があることを明らかにした.これらの成果は,脳卒中後の上肢麻痺の病態を身体意識の観点から多角的に理解することに寄与するものと考える.
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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