研究領域 | 身体-脳の機能不全を克服する潜在的適応力のシステム論的理解 |
研究課題/領域番号 |
20H05470
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
野村 泰伸 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (50283734)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 姿勢制御 / 脳波 / ベータリバウンド / 間欠制御 / 立位姿勢 / β波 / θ波 / 意思決定 / パーキンソン病 / ニューロモジュレーション / データ同化 / 経頭蓋磁気刺激 |
研究開始時の研究の概要 |
我々が提唱するヒト立位姿勢の間欠制御仮説では,脳神経系は姿勢に関する体性感覚情報に基づき適切なタイミングで,ふくらはぎ筋の一つである内側腓腹筋の筋活動の抑制と促進を間欠的にスイッチさせていると考える.別の言い方をすると,間欠制御仮説の本質は,姿勢制御に関わる脳活動における抑制と興奮の動的平衡の達成,あるいは,身体機械力学系の状態に依存して内側腓腹筋を支配する脳部位(おそらく脚橋被蓋核からの投射を受ける脳幹毛様体)を興奮させるか,抑制するかに関する自動的・不随意的運動選択メカニズムであると考えられる.本研究は,立位姿勢を安定化する間欠制御を実現する脳内メカニズムの解明を目指す.
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研究実績の概要 |
ヒト立位姿勢は、ふくらはぎ抗重力筋の持続的活動と伸張反射に因る足関節の高剛性によって安定化されると考えられてきた。我々はこの定説と対立する間欠制御仮説を提案している。そこで、本研究では、立位姿勢の運動学・動力学的計測に加え、姿勢の神経制御に関わる脳活動(脳波)を計測し、立位姿勢の間欠制御仮説の脳内メカニズムの解明を目指した。初年度(昨年度)は、インパルス的床面移動外乱に対する立位姿勢応答とそれに伴う脳波・筋電図応答を計測し、外乱で乱された姿勢の回復が完了する前に始まり、姿勢回復過程に渡り長時間(約3秒間)持続する高β帯域リバウンド(β-ERS)とθ帯域の脱同調(θ-ERD)を世界に先駆けて発見した。さらに、これらの同期・脱同期活動が発生する時間帯が、姿勢の間欠的フィードバック制御器のスイッチがオフになる時間帯と一致することを示した。これらの脳活動は、基本的には身体の受動的機械力学的特性を利用して姿勢の安定化を謀りつつも、必要に応じて適切なタイミングで能動的介入を行えるように、姿勢状態の能動的モニタリングしている脳内状態を反映していると考えられる。本年度は、この外乱応答に対する新規脳活動の有無を、パーキンソン患者を研究対象者として検証する予定であったが、新型コロナウイルス感染症拡大のため、実施が困難となった。そのため、それに替り、引き続き若年健常者を対象として、外乱の無い静止立位姿勢時の脳活動を計測し、静止立位時姿勢動揺に含まれる複数の微小転倒に注目し、そこから姿勢が直立平衡姿勢に回復する微小回復過程においても、外乱からの回復過程と同様にβ-ERSとθ-ERDが出現するかを検討した。現在まだ予備的実験結果しかない段階ではあるが、両者の応答が存在する可能性が示唆することができた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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