研究領域 | 情報物理学でひもとく生命の秩序と設計原理 |
研究課題/領域番号 |
20H05524
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中村 修一 東北大学, 工学研究科, 准教授 (90580308)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 細菌べん毛 / スピロヘータ / 光応答 / 顕微計測 / 細菌べん毛モーター / セカンドメッセンジャー / 情報伝達 / べん毛モーター / 走化性 |
研究開始時の研究の概要 |
スピロヘータは,長さ10μm以上の細長い螺旋形菌体の両端にべん毛を持つ運動性細菌である。スムーズな遊泳には両端のべん毛の協同的な回転が必要で,べん毛どうしは数十ミリ秒遅れで同期する可能性が示唆されている。長さ1μm程度の大腸菌では,サブミクロンの距離で隣り合うべん毛は蛋白質分子の細胞質内拡散によって連絡しあうが,長いスピロヘータ菌体の両端にあるべん毛を数十ミリ秒で同期させるには蛋白質拡散は桁違いに遅い。本研究では,真核細胞に匹敵する時空間スケールで起こるスピロヘータの情報処理機構を,高精度な光学顕微計測で明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究で材料としたLeptospira kobayashii(レプトスピラ・コバヤシイ)は,青~緑の光によって運動パターンが変化するという現象は明らかであったものの,本研究開始当初は,光センサーが未同定であった。トランスポゾンを用いたランダム変異挿入法によりゲノムワイドに得た変異体ライブラリーから光応答を欠損した株を見つけることができ,そのトランスポゾン挿入位置解析から,光応答欠損株ではアデニル酸シクラーゼモチーフを含む新規の遺伝子が破壊されていることが分かった。光依存的なcAMP合成の測定を試みたが,本来の宿主であるL. kobayashiiでは測定限界に近い低濃度であった。コドン最適化によって,L. kobayashiiの光応答関連遺伝子を大腸菌で過剰発現することに成功し,大腸菌発現系によって光依存的cAMP合成が確認できた。我々は,この遺伝子をLprA(leptospiral photoresponsive protein A)と名付けた。LprAに緑色蛍光蛋白質を標識して細胞内局在を調べたところ,菌体当たりの発現量は多くないが,興味深いことにべん毛モーターが存在する菌体両末端に局在していることがわかった。LprAの極局在は,cAMP濃度をべん毛モーター近傍で局所的に高める信号増幅の効果を示唆する。LprA欠損株は光依存的なcAMP合成能を失うが,膜透過性cAMPの培地への添加に瞬時に応答して野生型と同様の運動変化を示すことも明らかとなった。この結果は,cAMPがべん毛運動に作用していることを示す。光活性型アデニル酸シクラーゼはミドリムシで初めて発見され,いくつかの土壌細菌でも類似遺伝子が見つかっている。しかし,細菌の運動を光刺激後1秒程度で瞬時に変化させる例はない。新しいシグナル経路の発見ならびにオプトジェネティクスの新材料開発につながることが期待できる。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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