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実験生態系を用いた生態系変化の情報物理学的理解

公募研究

研究領域情報物理学でひもとく生命の秩序と設計原理
研究課題/領域番号 20H05533
研究種目

新学術領域研究(研究領域提案型)

配分区分補助金
審査区分 複合領域
研究機関国立研究開発法人情報通信研究機構 (2021)
大阪大学 (2020)

研究代表者

細田 一史  国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター, 主任研究員 (30515565)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード生態系変化 / 生態系情報 / 実験生態系 / 微生物
研究開始時の研究の概要

生態学では、生態系が成熟する遷移過程や食物網の栄養段階向上は情報量の増加と捉えられる。また時系列データに内在する情報を用いた因果解析も盛んである。このように「情報」は生態系の理解に重要だが、その枠組みは確立していない。困難な理由として理論と現実の距離がある。
本研究では実験生態系を用いて物理学実験のようにシステマチックに無数の生態系をみることで、生態系の情報物理学的理解を目指す。具体的には、生態系の動態解析、情報を用いた因果解析、および生態系変化を少数自由度で記述する巨視的解析を行う。情報物理学的理解が可能となれば、人類の課題である生態系の理解および階層生命システムの原理的理解が躍進するだろう。

研究実績の概要

本研究では、微生物による実験生態系を用いて、情報物理学の観点から巨視的および微視的な理解を目指した。具体的には下記5項目を行った。(1)様々な実験生態系の実施。(2)機械学習による生物種判別手法の確立。(3)個体群動態モデルでの実験結果の解析。(4)生態系内の種間相互作用の因果解析。(5)生態系変化の巨視的な解析。それぞれ以下の結果を得ることができ、総じて、再現性をもち複雑な「モデル生態系」が構築でき、情報物理学的にも生態学的にも重要な現象が示された。これらの結果は生態系の研究の革命的な進歩になると期待される。残念ながら、得られた複数の結果が論文として受理されることには間に合わなかったが、今後の継続と発展に不可欠な成果を得た。
(1)昨年まで、12種の実験生態系において最大で6種が半年以上は安定に共存する条件が見つかっていた。これに加え、これまで多種共存が難しかったカビ酵母類も共存できる培養条件が見つかった。さらに、光と培養プレートの最適化により、空間構造を壊さずに培養可能となり、空間構造の解析も可能となった。
(2)実験データを追加することにより、どの程度の精度で判別可能かを明らかにした。
(3)昨年構築した、多種のMonod型モデルに進化と離散性を加えたモデルを用い、生態系に環境変化が与えられた時の結果や、生態系間相互作用の結果も説明可能となった。
(4)非線形力学因果解析CCMにより系内の種間相互作用パターンを求めた。複製実験間で特定の相互作用パターンがあること、およびそこから外れる系があり、それは進化を含んでいることなどが明らかになった。
(5)生態系単位の高い階層のダイナミクスに関して、元来は非常に多くの次元を含んでいるにもかかわらず、それがおよそ1次元で説明できる場合があることを実験的に示した。逆に説明できない場合も明らかになり、この巨視的な見方の範囲が明らかになった。

現在までの達成度 (段落)

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和3年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2021 実績報告書
  • 2020 実績報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件、 招待講演 8件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] A model ecosystem of twelve cryopreservable microbial species allowing for a non-invasive approach2020

    • 著者名/発表者名
      Hosoda Kazufumi、Seno Shigeto、Murakami Naomi、Matsuda Hideo、Osada Yutaka、Kondoh Michio
    • 雑誌名

      bioRxiv

      巻: 2020.10.23.351742 ページ: 1-11

    • DOI

      10.1101/2020.10.23.351742

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] Perspectives on ecosystems as biofluids2021

    • 著者名/発表者名
      Kazufumi Hosoda
    • 学会等名
      Biofluids 2021
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] A high-throughput synthetic microbial ecosystem: stochastic community dynamics, inter-ecosystem interactions, predictions and controls2021

    • 著者名/発表者名
      Kazufumi Hosoda
    • 学会等名
      Symposium of Ecological Society of Japan Kanto Branch
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] モデル生態系として人工的に設計された微生物群集2021

    • 著者名/発表者名
      細田 一史, 村上 なおみ, 瀬尾 茂人, 長田 穣, 松田 秀雄, 近藤 倫生, 古澤 力
    • 学会等名
      京都大学生態学研究センターワークショップ:微生物を軸とした群集構造研究の統合とさらなる展開
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 無数の実験生態系から生命の法則を探る2021

    • 著者名/発表者名
      細田一史
    • 学会等名
      脳情報通信融合研究センターBFIセミナー
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 無数の小世界をつくって生命の法則にたどり着きたい2020

    • 著者名/発表者名
      細田一史
    • 学会等名
      京都大学MACSセミナー
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 1万を超える人工生態系により生態系と生命の謎に迫る2020

    • 著者名/発表者名
      細田一史
    • 学会等名
      生態研セミナー
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 生物進化と生態系変化の制約にモデル人工生態系で迫る2020

    • 著者名/発表者名
      細田 一史, 村上 なおみ, 瀬尾 茂人, 長田 穣, 松田 秀雄, 近藤 倫生, 古澤 力
    • 学会等名
      日本進化学会第22回オンライン大会企画シンポジウム「システム頑健性と進化可能性」
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 今や簡単に家管理、ラボ管理、実験機器連携が低コストかつ思いつきで自動化できる2020

    • 著者名/発表者名
      細田一史
    • 学会等名
      Laboratory Automation勉強会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 招待講演
  • [図書] 生体の科学、特集「生物物理学の進歩―生命現象の定量的理解へ向けて」、人工生態系の生物物理2021

    • 著者名/発表者名
      細田一史
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      医学書院
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書 2020 実績報告書
  • [図書] システム/制御/情報、「複雑ネットワーク研究の最前線特集号」、生命システムにおける複雑ネットワークとその制御2021

    • 著者名/発表者名
      細田一史, 瀬尾茂人
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      一般社団法人 システム制御情報学会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書 2020 実績報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2022-12-28  

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