研究領域 | 超地球生命体を解き明かすポストコッホ機能生態学 |
研究課題/領域番号 |
20H05588
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
複合領域
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
加藤 節 広島大学, 統合生命科学研究科(先), 助教 (80762070)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 大腸菌 / 環境応答 / 1細胞解析 / 細胞サイズ |
研究開始時の研究の概要 |
ポストコッホ生態系を理解するためには未培養微生物の分離・培養が必要であるが、同時に微生物が環境中でどのような生理状態で存在するのかを解析することも重要である。そこで本研究提案では、ポストコッホ生態系のような過酷な環境において、微生物がどのような生理機能(生存戦略)多様性を示すのかを1細胞レベルで定量的に解析し、環境因子との相関を明らかにすることでポストコッホ生態系の解明に貢献することを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では、微生物が自然界でさらされる様々なストレス条件のうち、低栄養、低浸透圧、そして低酸素条件下での細胞の生理機能と生存戦略を明らかにすることを目的として解析を行った。大腸菌細胞が低栄養かつ低浸透圧条件下に置かれると細胞の形状が大きく変化することを昨年度に発見していた。この培養条件において塩化ナトリウムを添加したところ細胞形状が通常の状態に戻る様子が見られ、細胞形態異常を引き起こす要因は低浸透圧であることがわかった。そこで細胞分裂に関わるFtsタンパク質にGFPを蛍光タグとして融合した発現系を構築し、4種のFtsタンパク質の細胞内局在を解析した。その結果、一部のFtsタンパク質が細胞分裂面に局在しない様子が観察された。以上の結果より、低浸透圧は細胞分裂に関わるタンパク質の局在に影響を及ぼし、細胞形状を通常よりも長くさせることが明らかになった。 また、昨年度に大腸菌細胞を培養する際の培養液量を変化させることで定常期の細胞サイズが変化することを見出していた。この現象について様々な培養条件(培地組成、温度、振とう方法)を変化させてさらに検証したところ、増殖速度はこの表現型には影響を与えず、培養液中の菌体濃度が大きな要因であることを明らかにした。この結果は、培養液量の増加、もしくは振とうの度合いが不十分であることによって十分な酸素が培養液中に供給されない場合に、細胞濃度が高い時に酸素不足の影響が強く表れることを示唆している。対数増殖期から定常期に至るまでの間で経時的にサンプリングを行った結果、低酸素条件の培養において細胞は一度小さくなってから再度その大きさを増大させることがわかり、外的要因の影響を受けて大腸菌細胞がその細胞形態を大幅に変化させる様子を詳細に捉えることができた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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