研究領域 | 代表性を有する大規模日本語書き言葉コーパスの構築:21世紀の日本語研究の基盤整備 |
研究課題/領域番号 |
21011004
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
人文・社会系
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小原 京子 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (00286650)
|
研究分担者 |
斎藤 博昭 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (30235064)
佐藤 弘明 専修大学, 商学部, 教授 (60187226)
藤井 聖子 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (70165330)
|
研究期間 (年度) |
2009 – 2010
|
研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
|
配分額 *注記 |
4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2010年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2009年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | 語彙資源 / 語彙意味論 / コーパス言語学 / 日本語処理 / 構文文法 / フレーム意味論 / 国際情報交換 |
研究概要 |
本研究の目的は、1.日本語フレームネットを、語彙に関する意味情報だけでなく構文に関する意味情報をも含む語彙・構文複合言語資源へと発展させていくことと、2.日本語フレームネット構築を通じて、「代表性を有する大規模日本語書き言葉コーパス」(BCCWJ)の有用性を確認することであった。 今年度の研究活動の柱は、目的1に関しては従来の語彙データベース(Lexicon)に加えて構立データベース(Constructicon)をも含んだ複合言語資源としての日本語フレームネットの雛形の検討、目的2に関してはBCCWJコアデータへの全文テキストアノテーションの実施であった。 具体的には、目的1については、語彙素以外で文全体の意味に寄与している要素を洗い出した結果、支援動詞構文、複合辞・助詞相当句、複合辞・助動詞相当句、定型的表現があることがわかった。さらに、日本語フレームネットを語彙・構文複合言語資源とするためには、今後は特に定型的表現幕を網羅的に収集しそれらの意味と文全体の意味との関連を分析する必要があることが明らかとなった。目的2については、BCCWJコアデータ書籍ジャンルを対象として全文テキストアノテーションを行い、既存の意味フレームのBCCWJコアデータへの適合率を調査したところ、81.2%であった。 本年度の研究活動の意義としては、目的1に関して今後の構文の意味アノケーションへの道筋ができたことである.目的2に関しては、BCCWJのような均衡性・代表性を持つコーパスが日本語フレームネット上の意味フレームの適合率を評価するためのコーパスとして有用であることが明らかとなったことである.本研究は、言語学的に妥当性のあるフレーム意味論に基づいた詳細な意味タグ付きコーパスを構築する点において、日本語学習者用教材や自然言語処理のためのインフラ整備として非常に重要である。
|