研究概要 |
本研究は,大規模な通信インフラ崩壊時においても災害情報を把握可能にするため,災害を検知し,カメラ等を含めて記録,情報を伝播する機能を有したセンサを開発し,災害地の中心にいる人物がセンサノードを持ち運ぶ(あるいは自分自身でセンサを設置する)ことで災害の膨大な情報を正確に伝え得るセンシングプラットフォームを構築する.本システムをHumanProbe(人間による検出器)と名づけ,Human Probeの基本アーキテクチャおよび災害時に外部に持ち運び可能なセンサノードプラットフォームを開発し,センサ向け基盤ソフトウエア,アプリケーションを作成した.HumanProbeを実現しやすくなった背景には,高性能カメラ,GPS受信機,地磁気センサ等を搭載する携帯電話の登場がある。位置や方向といった撮影時の情報を伴った写真をいつでも容易に撮影可能となった.また,携帯電話網の発展により,撮影された写真は,ネットワークを通して瞬時に共有可能となった.特に,災害現場において,携帯電話カメラにより撮影された写真は,救助や避難誘導における現場状況の把握に有益な情報となる.しかしながら,多人数により撮影された膨大な写真から現場状況を迅速に把握することは困難である.そこで我々は,携帯電話を用いて多人数によって撮影された膨大な写真から現場状況を的確に把握可能な写真サマリー作成システムを開発した.写真撮影者は,被災現場の写真を撮影することを前提としている.そのため,位置情報を伴った収集した写真を,2次元平面上に写真を展開すると,被災現場ごとに分類可能となる.我々は,撮影時の緯度,経度を利用してX-means法により写真を分類することで,現場写真クラスタを生成した.
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