研究領域 | 海洋表層・大気下層間の物質循環リンケージ |
研究課題/領域番号 |
21014004
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
須賀 利雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (70211977)
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研究分担者 |
日比谷 紀之 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80192714)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
2010年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2009年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 亜熱帯モード水 / 季節密度躍層 / 亜表層酸素極大 / クロロフィル極大 / 鉛直拡散 / 内部波 / 一次生産 / プロファイリングフロート |
研究概要 |
東北大学と海洋研究開発機構が共同で北太平洋亜熱帯域に展開してきたクロロフィルセンサー・酸素センサー付プロファイリングフロートのデータを解析し、亜熱帯モード水・季節密度躍層系の水温・塩分・密度・クロロフィル・酸素の季節内スケールから季節スケールまでの時間発展を記述した。特に、酸素センサーの経時変化を定量的に評価した上で、酸素の時間変動を調べたところ、5~7月の有光層内に顕著な酸素増加が見出された。さらに、これもとに純群集生産を見積もった結果、有光層内の積算値として25.2±3.2mmol cm^<-2>day^<-1>が得られた。これは、先行研究による亜熱帯循環東部における値の約5倍にも及ぶ大きな値であり、亜熱帯モード水の上端付近における強い鉛直拡散に伴う大きな栄養塩輸送の存在を支持するものである。このデータ解析の結果を説明するため、海洋表層の非静力学モデルに大気の総観規模擾乱に相当する強制を与え、亜熱帯モード水が存在する場合と存在しない場合の内部波の伝播過程を調べた。その結果、亜熱帯モード水が存在する場合には、混合層底部から下方に伝播する内部波は亜熱帯モード水上端付近で反射し、大気擾乱が通過した後も亜熱帯モード水上端以浅において乱流運動エネルギーが大きい状態が持続することがわかった。これは、密度め鉛直一様性で特徴づけられる亜熱帯モード水が内部波伝播のバリアとして作用し、モード水上端付近に強い鉛直拡散をもたらすという仮説を支持するものである。
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