研究領域 | 非平衡ソフトマター物理学の創成に関する総括研究 |
研究課題/領域番号 |
21015003
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野口 博司 東京大学, 物性研究所, 准教授 (00514564)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2010年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2009年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ソフトマター物理 / 生物物理 / シミュレーション |
研究概要 |
せん断流下での孤立した赤血球、脂質ベシクルの運動モードを研究した。脂質ベシクルの運動を表すのに、ベシクルの形状と流れの方向に対する傾斜角の2変数、もしくは3変数からなる微分方程式で表せる理論モデルを昨年度までに構築した。今年度はその模型を拡張し、高分子カプセルに応用した。膜の曲げ弾性に対して、ずれ弾性の大きい場合、相図が定性的に大きく変わり、tank-treadingとtumblingが同時に起こる領域がなくなることが明らかにした。シミュレーションで観測されていなかったためにこの共存相は理論のアーチファクトでないかと疑う研究者もいたが、本研究で膜の物性の条件で決まることがわかった。また、曲げ弾性が大きい場合、ずれ弾性に起因する傾斜角の振動とせん断流によるカプセルの形状変化に起因する傾斜角の振動が、複雑に絡んで、カプセルの多様なふるまいを生み出すことが明らかになった。 周期的にせん断強度を変動させた場合、赤血球、脂質ベシクルともに、多様な運動が起こることを昨年度明らかにしたが、本年度は赤血球において、模型を拡張し、熱揺らぎを考慮した。熱揺らぎによって、異なった運動モード間の変移が起こることを示し、温度上昇に伴い、指数関数的に増加することを明らかにした.
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