研究領域 | 非平衡ソフトマター物理学の創成に関する総括研究 |
研究課題/領域番号 |
21015007
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
藤井 修治 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (40401781)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
2010年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2009年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 界面活性剤 / ラメラ相 / オニオン相 / ブロック共重合体 / 複合二分子膜 / レオロジー / 構造転移 / 構造破壊 |
研究概要 |
本研究課題では、具体的に1.複合二分子膜ラメラ相のずり誘起オニオン相転移、2.ブロック共重合体ラメラ相のずり誘起構造転移、の2課題に焦点をあてた。研究課題1では、界面活性剤とブロック共重合体から成る複合二分子膜ラメラ相のオニオン相形成挙動について、ずり流動による欠陥密度増加、臨界ずり応力の物理的意味の観点から研究を進めた。研究課題2では、これまで独立の研究課題であった流動場によるラメラ相の構造転移挙動(オニオン転移、配向転移)を非平衡構造形成の基本原理という統一の視点から理解するために動的相図を作成することを第一の目標とした。 得られたずり誘起構造転移の動的相図作成を出発点とし、流動光散乱やX線散乱を粘弾性測定と組み合わせた実験手法により構造形成過程、構造破壊過程がどのような基本原理の下に進行するのか調べた。複合二分子膜ラメラ相のオニオン相形成については、ラメラ相における欠陥密度の増加がオニオン相形成を誘起するために必須であること、また欠陥構造から球状ベシクル(オニオン)への構造転移は、二分子膜の曲げ弾性率を超えるずり応力が与えられた時に生じることを明らかにした。この結果は、流動場下における構造転移が、与えられるずり速度と系の緩和時間の比のみによって決まるのではなく、力学特性が重要な因子となることを示している。ブロック共重合体ラメラ相について粘度測定と流動小角光散乱測定を行い、ラメラ配向転移とオニオン転移の動的相図を作成した。得られた相図より、オニオン転移の臨界ずり速度とラメラ配向転移の臨界ずり速度には一桁以上もの大きな差があること、また、高ずり速度ではオニオン相は破壊され再びラメラ相を再形成することが明らかになった。この結果はオニオン相形成とラメラ配向転移は異なる物理メカニズムにより達成されることを示唆する。
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