研究領域 | 非平衡ソフトマター物理学の創成に関する総括研究 |
研究課題/領域番号 |
21015019
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐藤 尚弘 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10196248)
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研究分担者 |
四方 俊幸 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (10178858)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 7,800千円)
2010年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2009年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | 高分子構造・物性 / 自己組織化 / 超分子化学 / ナノ材料 / メゾスコピック系 |
研究概要 |
感熱応答性ブロック共重合体であるpoly (N-isopropyl-aclylamide)-b-poly(N-vinyl-2-pyrrolidone)(PNIPAM-b-PNVP)の水溶液中、温度変化によって形成される様々なミセルの形成機構を解明し、高分子ミセルの高精度な構造制御を目的として研究を行った。まず同系でミセル化を引き起こす起源となっているPNIPAMブロック鎖と水との相互作用を詳細に調べるために、NIPAMと親水性モノマーacrylamideとのランダム共重合体P(NIPAM-AAM)の水溶液に対する誘電緩和測定を行い、高分子に水和している水分子のうちNIPAM-NIPAM間およびNIPAM-AAM間の橋架け水和水が温度上昇に伴って脱水和することを明らかにした。他方、PNIPAM-b-PNVPは水溶液中で44℃以上の昇温によってはじめ巨大なベシクルが形成されるが、さらに高温で球状ミセルを形成することを見出した。これは、昇温によってPNIPAMブロック鎖が次第に脱水和してミセルコアの体積が小さくなること、すなわちPNIPAM-b-PNVPの形状因子が減少することにより説明された。また、ベシクルが存在する溶液中には非常にサイズの異なるミセルが共存することを動的光散乱とパルス磁場勾配NMRの併用によって実証した。さらに、ミセル構造は水溶液の熱履歴に依存し、室温からゆっくりと60℃付近まで昇温すると、巨大ベシクルが溶液中に残存し、60℃あるいは70℃に温度ジャンプさせた球状ミセルを含む水溶液を44℃に冷却するとベシクルが、50℃に冷却すると円筒状ミセルが形成されることを見出した。
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