研究領域 | 窒化物光半導体のフロンティア-材料潜在能力の極限発現- |
研究課題/領域番号 |
21016005
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
山田 陽一 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (00251033)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
2010年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2009年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 窒化物半導体 / 混晶局在系 / 励起子 / 励起子分子 / 2光子吸収 / 結合エネルギー / ボーイング / 深紫外波長領域 / 振動子強度 / 発光ダイナミクス / 輻射再結合寿命 / 偏光特性 / 格子歪 |
研究概要 |
高Al組成Al_xGa_<1-x>N混晶半導体における局在励起子分子の結合エネルギーを定量的に評価するために、励起子分子発光の励起スペクトルの測定を行った。励起光源には、Xe-Clエキシマレーザ励起の波長可変色素レーザを用い、その第2高調波を利用することにより、広く深紫外波長領域をカバーした。励起子分子発光の励起スペクトルには、励起子共鳴に加えて、励起子分子の2光子共鳴が明瞭に観測された。この励起子分子の2光子共鳴は、2光子吸収過程により基底状態から励起子分子が直接生成される過程を表している。この場合、励起子共鳴と励起子分子の2光子共鳴のエネルギー間隔は励起子分子結合エネルギーの半分の値を与えることになる。その結果、Al組成比x=0.81の混晶薄膜における励起子分子の結合エネルギーをB_M=56meVと導出した。この値はAlNにおける励起子分子結合エネルギー(B_M=19meV)の約3倍であり、高Al組成側においても高Ga組成側と同様に、局在化に伴う励起子分子結合エネルギーの大幅な増大が生じていることを明らかにした。これまでにAl組成比x=0.89およびx=0.61の混晶薄膜試料においても励起子共鳴と励起子分子の2光子共鳴を観測しており、各々の試料における励起子分子結合エネルギーをB_M=48meVおよびB_M=56meVと導出した。これらの実験結果は、Al_xGa_<1-x>N混晶半導体における励起子分子の結合エネルギーには混晶組成比x=0のGaNとx=1のAlNの励起子分子結合エネルギーの値での線形補間が成り立たたないことを明瞭に示しており、その結合エネルギーの混晶組成比依存性には非常に大きなボーイングが存在することを明らかにした。
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