研究領域 | マイクロ波高温非平衡加熱の研究総括 |
研究課題/領域番号 |
21017008
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 岐阜県機械材料研究所 |
研究代表者 |
林 哲郎 岐阜県機械材料研究所, 金属材料研究部, 主任専門研究員 (30515961)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2010年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2009年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 廃棄物資源化 / 化学物理 / 省エネルギー |
研究概要 |
マイクロ波還元法は、マイクロによる素材の自己発熱で到達しうる温度域で炭素によって還元可能な金属酸化物であれば製錬を可能とする。これを、金属酸化物を多く含む産業廃棄物に応用し、鉄、クロム、ニッケル、銅などの重金属酸化物の還元・回収を行い、無害かつ軽量なアルミナやシリカなどのスラグと分別する。今年度は、産業廃棄物であるめっきスラッジを想定した試料に適用した。めっきスラッジをニッケルの融点以上の高温で還元した場合、回収される金属塊には、スラッジ中に含まれるすべての重金属元素のみならず軽元素も還元・溶解する。そこで、これらの不純物を極力除去するために、800℃の低温で複合酸化物試料の炭素による還元を行ない、ニッケルを粉末状で回収するとともに不純物と分別する。得られた結果は以下の通りであった。NiO+KH2PO4(3%)+C(12%)においては、リン酸カリウムは還元されず、還元されたニッケルと分離することができた。NiO+SiO2(10%)+C(11%)の系では、シリカは還元されず、粉末の磁選によって、還元ニッケルとシリカとに分別することができた。NiO+SnO2(20%)+C(11%)の実験では、磁選することによって、還元ニッケル+少量のニッケル錫合金が磁石に付着し、酸化錫+少量のニッケル錫合金と分別できた。NiO+Fe3O4(20%)+C(11%)に対しては、ニッケルと鉄の合金を99%磁選・回収することができた。NiO+Cu20(20%)+C(10%)の磁選によって、還元ニッケルの粉末+ニッケル銅合金のニッケルが多い組成の塊と、ニッケル銅合金の銅が多い組成の粒状塊とに分別できた。これらの成果から産業廃棄物からレアメタルであるニッケルを他の成分と分離して回収する可能性を示した。
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