研究領域 | スピン流の創出と制御 |
研究課題/領域番号 |
21019005
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
柳原 英人 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (50302386)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2010年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2009年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | スピンフィルタ / マグヘマイト / マグネタイト / 磁気トンネル接合 / スピネルフェライト |
研究概要 |
マグヘマイト(γ-Fe2O3)やマグネタイト(Fe3O4)のようなスピネルフェライト単結晶薄膜をスピントロニクス材料に展開するための基礎的な研究を行った。前年度の結果ではγ-Fe2O3薄膜は、その初期成長では化学量論比に近い組成で成長するものの、その後、Fe2+が増加してくるため、絶縁特性が劣化し、スピンフィルタ層として機能しないことが示唆されていた。そこで本年度は、さらに高い絶縁性が得られるような製膜方法の検討し、TiN/γ-Fe2O3/MgO/Fe/Auの積層構造を有するスピンフィルタ素子の作製を行った。γ-Fe2O3の成膜後にオゾン雰囲気下で熱処理を行うことで、トンネル特性は向上し、室温で-2%程度のMRが得られた。第一原理計算により得られたγ-Fe2O3の電子状態は、γ-Fe2O3をトンネル障壁とした際に少数スピン電子のトンネル確率が支配的であることを示しており、理論的に予想された磁気抵抗効果の符号と我々の実験結果とが一致した。また、Fe3O4/Feはその界面において反強磁性的に結合することが知られており、この磁化配列を利用してTiN/Fe3O4/Fe/AuのCPP配置でのスピンバルブ型磁気抵抗素子を作製した。その結果、室温では大きなMRは観測されなかったが、Fe3O4の金属絶縁体転移温度以下では、数十%の磁気抵抗効果があらわれた。Fe3O4中でのバンドギャップの生成に起因するスピン依存したショットキー接合が、MRの起源であると考えられるが、詳細については、今後の検討課題である。
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