研究領域 | 光―分子強結合反応場の創成 |
研究課題/領域番号 |
21020007
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
奥津 哲夫 群馬大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20261860)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2010年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2009年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 光-分子強結合場 / 金ナノ構造 / タンパク質 / 結晶化 / 金ナノコロイド / 光誘起結晶化 / アミノ酸 / 多光子励起 / タンパク / 非線形励起 / リゾチーム / 結晶成長 |
研究概要 |
タンパク質の光誘起結晶化の研究を光-分子強結合場を用いて行った。光誘起結晶化とはタンパク質の光化学反応をきっかけとして核形成が始まり、結晶化が誘起されることである。その光化学反応はタンパク質中のTrpかTyr残基がラジカルとなり、他のタンパク質と共有結合性の安定なダイマーを形成することである。本研究ではアミノ酸を励起する方法として光-分子強結合場を用いた。光-分子強結合場として金ナノ構造を用いてタンパク質を励起した。その結果、結晶の出現頻度が高くなった。 この機構を解明するために、タンパク質の結晶化の系を用いずアミノ酸の光化学反応に着目した。この実験では光-分子強結合場として金ナノコロイド粒子を用い、チロシン(Tyr)の多光子励起を試みた。その結果、チロシンは2ないし3光子反応で反応し、ジチロシンを生成することが判明した。 実用的な検討を行うために、産総研のグループと共同研究を行い、ガラス基板上にナノ構造のグレーティングを構築し、プラズモン共鳴が起こりやすい基板を作成し、タンパク質の結晶化実験を試みた。その結果、室内光ほどの可視光の連続光でも、多光子反応によりタンパク質の結晶化が促進された。 これらの研究結果をもとに、学会発表を国内外で行い、成果をJournal of Photochemistry and Photobiology A : Chemistryの特集号に論文掲載した。ハワイで行われたPacifichem2010において口頭講演を行い、ハイライト講演に選ばれた。北大電子研三澤教授のグループと「タンパク質結晶化装置」に関する特許を出願した。またこの特許は国際出願され、新規性が認められた。
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