研究領域 | 光―分子強結合反応場の創成 |
研究課題/領域番号 |
21020029
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
新留 康郎 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (50264081)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2010年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2009年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 金ナノロッド / 表面プラズモン / プラズモンセンサー / 銀シェル金ナノロッド / 非線形光反応 / プラズモン |
研究概要 |
金ナノロッドの表面状態制御を引き続き行い、高分子電解質で表面修飾した金ナノロッドをガラス基板に静電相互作用で固定する方法を最適化した。基板に固定した金ナノロッドは明確な表面プラズモンバンドを示し、オリゴペプチドの滴下に伴って再現性の良いピークシフトが得られることを明らかにした。この実験によって得られたピークシフトは10^<-10>molから10^<-18>molのオリゴペプチドを検出できる可能性が示唆され、金ナノロッドセンサーの実用化に向けた大きな技術的進歩が得られた。ただし、ピークシフトは界面に存在する水の影響を大きい事が明らかになり、今後の工夫が必要である事もわかった。本研究ではまた、金属表面のオリゴペプチドの検出を表面支援レーザーイオン化脱離飛行時間型質量分析:SALDI-TOF-MASS法によって行った。SALDI-TOF-MASS法では10^<-19>mol/cm^2の濃度でも10以上のS/N比でアンジオテンシンの分子イオンを検出することができた。溶液が蒸発する際に金ナノロッド近傍にオリゴペプチドが濃縮されたことも、この高い検出感度の要因ではあるが、金ナノロッド自体もオリゴペプチドの脱離イオン化に対して高い効率を有していると考えられる。この高いSALDI効率は金ナノロッドの紫外線吸収効率と熱的特性に由来すると考えられたので、金ナノロッドの光励起後の熱的特性について過渡吸収分光測定を行って、その熱的な特性を明らかにした。銀シェル金ナノロッドを用いた測定では銀シェルの付与による金ナノロッドの熱的応答の変化が観察され、今後、SALDIの効率と金ナノロッドの熱的特性を比較して考察する方法論を確立することができた。
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