研究領域 | 光―分子強結合反応場の創成 |
研究課題/領域番号 |
21020032
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
小畠 誠也 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00325507)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2010年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2009年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 光化学 / 金ナノ粒子 / ポリマー / フォトクロミズム / 電場増強 / プラズモン / ジアリールエテン / LSPR / RAFT |
研究概要 |
本研究では、光機能性を有するフォトクロミックジアリールエテンポリマーを被覆した金属ナノ粒子のフォトクロミック反応の増強電場効果に関する研究を進め、光-分子強結合場における高効率なフォトクロミック反応系の構築を目指すとともに、増強電場を及ぼす金属ナノ粒子表面からの距離依存性について検討した。 ジアリールエテンポリマーを被覆した平均粒径約18nmの金ナノ粒子を作製し、溶液中における金ナノ粒子近傍のジアリールエテンの可視光照射に伴う光開環反応性を検討したところ、ジアリールエテンポリマーのみよりも反応速度の上昇が認められた。これは、金ナノ粒子の表面プラズモン共鳴(LSPR)に由来した電場増強効果によるものと考えられる。その増強効果を定量的に解析するために、2種類のモデルをたてて検討した。1つ目はジアリールエテンポリマー全体にわたって均一に反応が増強されているとしたモデルであり、もうひとつは金ナノ粒子の近傍でのみ反応が促進され、それ以外の部分では影響を受けないとした2成分モデルである。これらのモデルに従い、実験結果のフィッティングを行ったところ、前者よりも後者のモデルの方が実験点とよく一致しており、金ナノ粒子近傍でのみジアリールエテンの光開環反応が増強されていることが示された。また、フィッティング結果より、金ナノ粒子表面から約10nmの範囲において通常の2~5倍程度の反応の促進が認められた。これらの結果は、コアシェルモデルを用いた吸収スペクトルの理論的シミュレーションによっても再現することができ、金ナノ粒子の増強効果を定量的および空間的な解析することができた。
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