研究領域 | 感染現象のマトリックス |
研究課題/領域番号 |
21022009
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
畑生 俊光 群馬大学, 医学部, 助教 (60344917)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
2010年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2009年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | マラリア重症化 / 宿主免疫修飾 / スカベンジャー受容体 / ケモカイン |
研究概要 |
重症熱帯熱マラリアの病態形成機構は、マラリア原虫感染赤血球(pRBC)の宿主細胞への細胞接着が重要な現象と考えられ、未知因子の存在が推測されている。我々は、生体における老化赤血球などの排除機構に着目し、その排除に関わるスカベンジャーレセプター(SR)に着目した。SRsの重症マラリア病態形成機構への関与を検討する目的で、SRs強制発現細胞株を作製しpRBCとの接着を観察した。また、Plasmodium berghei ANKA(PbANKA)感染マウスモデルを用い、PbANKA感染前後の脳、肺、肝臓、脾臓、心臓における9種類のSRs(SR-A、NARCO、SRCL、CD36、CD68、SREC-I、SR-PSOX、FEEL-I、CD163)のmRNA発現について検討した。pRBCとSRsの接着を検討するために、SR-A、MARCO、SR-PSOX、CD68、SRCL、SREC-Iそれぞれについて強制発現細胞株を作製した。細胞接着試験の結果、SR-A、MARCO、SR-PSOX、SRCLおよびSREC-IについてはpRBCとの接着が観察されたが、CD68は観察されなかった。PbANKA感染マウスモデルの観察結果から、CD36、CD163、SR-PSOX、SREC-1、について感染前後の発現臓器毎の違いは認められなかったが、MARCOは、感染7日後に肝臓、脾臓、肺でmRNA発現増強が観察された。SR-Aは、感染前の肝臓で強く発現が観察されたが、感染7日後には全臓器で発現が増強した。FEEL-Iは感染前の発現は認められなかったが、感染3日後より全臓器での発現が観察された。本研究の結果から、貪食細胞表面に発現が報告されているSR-AおよびMARCOは、これらの臓器においてマラリア原虫感染により発現誘導されるpRBCの接着・貪食因子である可能性が推測された。一方、CD36やSR-PSOXは、血管内皮細胞やマクロファージに発現することが報告されているが、pRBC感染前後で発現臓器等に差が認められなかったことから、血管内皮細胞ではpRBC接着因子として、貪食細胞ではpRBC貪食因子として機能し、発現部位で機能が異なる可能性が推測された。
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