研究領域 | 感染現象のマトリックス |
研究課題/領域番号 |
21022021
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高原 和彦 京都大学, 生命科学研究科, 講師 (90301233)
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研究分担者 |
稲葉 カヨ 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (00115792)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
2010年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2009年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
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キーワード | 微生物 / 感染症 / 糖鎖 / 免疫学 / レクチン |
研究概要 |
先に、C型レクチンSIGNR1が病原性C.albicans表面のα-mannanを介してこれを認識し、細胞のTNF-〈産生およびoxidative burstを昂進すること等を細胞株にて示した。今年度は、生体におけるSIGNR1の働きを検討した。 始めに、マウスに抗SIGNR1抗体を投与すると腹腔内マクロファージ(rpMφ)上のSIGNR1が消失することを確認した。次に当該マウスの腹腔内にzymosanを投与し一定時間後に腹腔内細胞を取り出し解析したところ、抗体処理によってrpMφのzymosan捕捉と続くTNF-α産生が有意に低下した。TLR2KOマウスでは、zymosan投与によるTNF-α産生が大きく低下したことから、先のin vitroの結果と同じく、生体においてもSINGR1はTLR2を介してrpMφのTNF-α産生を昂進することが示された。一方で、熱処理C.albicansのrpMφによるoxidative burst誘導における抗SIGNR1抗体処理の影響を同様に検討したところ、抗体処理によりrpMφのoxidative burstが有意に低下した。先に、細胞株で見られたSIGNR1とDectin-1の結合をrpMφにおいても検討したが確認されなかった。しかしながら、熱処理C.albieans刺激の後に両者の共局在および結合が確認され、更に、Dectin-1が認識しにくい生菌C.albieansをrpMφに感染させたところ、菌体周囲にSIGNR1に加えてDectin-1の局在が見られた。先に、SIGNR1はDectin-1/Sykを介してoxidative burstを惹起することを報告していることから、SIGNR1は生菌体の取り込みと共にDectin-1をその周囲に導き効果的なoxidative burst誘導を可能にしているものと思われる。
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