研究領域 | 感染現象のマトリックス |
研究課題/領域番号 |
21022039
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
平山 壽哉 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (50050696)
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研究分担者 |
磯本 一 長崎大学, 大学病院, 准教授 (90322304)
山崎 栄樹 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教 (40514708)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
2010年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2009年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | ヘリコバクター・ピロリ / VacA / 細菌毒素 / CagA / エフェクター / 毒性発現 / 毒作用 / ピロリ菌 / microRNA / エピジェネティック / PI3K / Akt / 細胞内Ca2+濃度 |
研究概要 |
VacAとCagAは共にヘリコバクター・ピロリの主要な病原因子であり、CagAは胃癌、VacAは胃炎、胃潰瘍などの発症に密接に関連することが示されている。したがってCagAとVacAの毒性発現に至るシグナル伝達には独立した固有の経路もあれば両者類似の作用が認められるなど、必ずしも明確な区別がなされていない。我々はこれまで、培養細胞において発現させたCagAが、ピノサイトーシス経路依存性エンドサイトーシスを阻害しVacAの取り込みを抑制すること,さらにはピロリ菌と培養細胞の共培養条件下において、ピロリ菌により注入されたCagAがVacAによる細胞空胞化を低下させることを明らかにした。本年度は、CagAによるVacAの取り込み抑制のしくみを明らかにするため、細胞膜上のVacA受容体分子であるRPTPαに焦点を当ててしらべた。その結果、CagAによるVacAの取り込み抑制と続く細胞障害低下は、CagAがRPTRαのエンドサイトーシスを阻害することから引き起こされていることが示唆された。ピロリ菌CagAによる細胞膜蛋白質のエンドサイトーシス阻害は、VacAによる細胞機能の撹乱やピロリ菌の病原性発現に影響を与えている可能性が考えられた。加えて、極性上皮細胞では、CagAによるErk活性化が、グアニン・ヌクレオチド交換因子H1(GEF-H1)-RhoA-RhoA経路で引き起こされ、その結果活性化されるcMycによって生じたmicroRNA、miR-17とmiR-20aがp21(Waf1/Cip1)の発現を抑制した。しかし、このCagAの作用にはVacAは影響しないことが判明した。
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