研究領域 | 感染現象のマトリックス |
研究課題/領域番号 |
21022040
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
本間 季里 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 講師 (70307940)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
2010年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2009年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | 蠕虫 / ナチュラルヘルパー細胞 / IRF4 / IRF-4 / N.brasiliensis / Th2 / 好酸球 |
研究概要 |
Th2非依存的N.brasiliensis(NB)排除機構の解析において本年度は以下の点を明らかにした。 1)IRF4 KOにNBを感染させると、小腸への激しい好酸球の浸潤を認めた。腹腔内IL5の値は野生型に比べ高値で、このIL5が好酸球の浸潤を引き起こしていると考えられた。 2)IL5の供給源として腸管に存在するナチュラルヘルパー(NH)細胞を想定した。未感染マウスのNH細胞からのTh2サイトカイン産生を比較したところ、IRF4 KO由来のもので高値を示した。IRF4がNH細胞におけるTh2サイトカイン産生を負に制御している可能性が示唆された。 3)そこで、NH細胞内のIRF4発現を確認したところ、刺激に伴いIRF4の発現が認められた。siRNAによりIRF4をsilencingしたところ、Th2サイトカイン産生は著明に亢進した。 4)抗IL5抗体によりIL5を中和したところ、IRF4 KOでは小腸への好酸球の浸潤が抑制されただけでなく、杯細胞の過形成も認められなくなり、その結果、排虫の著しい遅延を認めた。 5)杯細胞の過形成がIL5の中和によって抑制されたことから、NH細胞からのIL13産生が直接杯細胞の過形成を引き起こしているというより、浸潤した好酸球からIL13が産生している可能性が考えられた。そこで、感染マウスの小腸LPの好酸球のサイトカイン産生を調べたところ野生型、IRF4KOとも産生が確認された。好酸球にはIRF4の発現を認めなかった。 以上のことから、IRF4 KOにおけるTh2非依存的NB排除機構は、NH細胞から野生型よりも多量のIL5が産生され、このIL5によって好酸球が浸潤、浸潤好酸球からのIL13が最終的に杯細胞の過形成を引き起こすため排虫がおきることが明らかとなった。
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