研究領域 | 膜超分子モーターの革新的ナノサイエンス |
研究課題/領域番号 |
21023006
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
城地 保昌 独立行政法人理化学研究所, データ処理系開発チーム, 研究員 (30360415)
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研究分担者 |
北尾 彰朗 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 准教授 (30252422)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2010年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2009年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 生物物理 / 蛋白質 / X線散漫散乱 / 計算機シミュレーション / 実験データ解析 / 結晶構造解析 / X線結晶構造解析 / 蛋白質分子の協奏的揺らぎ / 分子動力学計算 / 基準振動解析 / 温度因子 |
研究概要 |
蛋白質が担う分子機能を物理化学的に理解するには、蛋白質分子の協奏的な揺らぎを調べることが重要である。X線結晶回折データは、Bragg回折と散漫散乱に分けられる。蛋白質の協奏的揺らぎは、散漫散乱データに含まれる。しかし、その解析方法が確立されていないため、散漫散乱は、蛋白質のX線結晶構造解析では通常無視される。本研究課題は、X線散漫散乱データを利用して、蛋白質の機能解析を行うため理論基盤を構築することが目的であった。 平成21年度までに、蛋白質分子の基準振動解析を行い、その結果から蛋白質結晶のX線散漫散乱データを解析し、散漫散乱強度に対する、分子サイズの大きさ、揺らぎの大きさ、solvent channelに存在する水の寄与などを明らかにした。平成22年度は、さらに、結晶内のmosaicityが散漫散乱強度に影響を大きく寄与することを明らかした。これらの解析結果を基に、散漫散乱強度を、原子の位置、揺らぎ、水分量、mosaicityの関数と記述し、X線結晶回折強度の実験値と計算値との差を最小にすることで、蛋白質の協奏的揺らぎを抽出するためのソフトウェアを開発した。ここでは、基準振動(集団座標)を、結晶構造の動的モデルとして組み込み、集団座標系での振幅・相関を実験データから決定することによって、蛋白質の揺らぎ情報を取り出す基準振動精密化法を応用した。また、平成21年度に引き続き、実験で測定した散乱画像から、検出器の有限サイズピクセルの効果を、計算処理により取り除く手法の開発を行った。このようなデータ処理法開発は、実験データ解析の解像度を上げるために重要である。
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