研究領域 | 膜超分子モーターの革新的ナノサイエンス |
研究課題/領域番号 |
21023016
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西山 雅祥 京都大学, 理学研究科, 助教 (10346075)
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研究分担者 |
曽和 義幸 法政大学, 生命科学部, 講師 (10519440)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2010年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2009年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | 分子モーター / べん毛 / ナノメートル計測 / 高圧力 / 1分子計測 / 光学顕微鏡 / バイオイメージング / べん毛モーター / トルク発生 / エネルギー変換 |
研究概要 |
バクテリア・べん毛モーターは、細胞内に流入するイオン流により、回転運動を生み出すタンパク質分子機械である。菌体は、この回転器官を用いて、細胞外に長く伸びたべん毛繊維をスクリューのように回転させることで推進力を発生し、遊泳運動を行っている。本研究課題では、タンパク質の構造と機能を変調できる高圧力技術を利用して、べん毛モーターの高速回転運動の変調と検出により、回転機構を明らかにする研究に取り組んだ。平成21年度の研究により、高圧力下では、細胞内へのH+の流入速度が低下することが判明した。そこで、平成22年度では、Na+の流入により駆動するキメラべん毛モーターを用いて、細胞外のNa+濃度を変化させながら、回転計測を行った。べん毛繊維にポリスチレンビーズを回転の指標として吸着させ、ハイスピードカメラを搭載した高圧力顕微鏡でビーズの高速回転運動を観察した。常圧力下では、モーターの回転速度は、細胞外のNa+濃度と共に増加し、85mMNa+では、600Hzに達した(0.4umビーズ)。高圧力下では、全てのNa+濃度下で、圧力の増加共に回転速度は指数関数的に減少した。以上の結果は、H+駆動型べん毛モーターから得られた実験結果と一致するため、高圧力はNa+の流入速度を低下させていることが明らかになった。次に、蛍光指示薬を用いて、高圧力下にある細胞内Na+濃度を調べたところ、大きな変化はなかった。したがって、高圧力をかけることで、細胞外にあるNa+がモーターへの結合反応が阻害されることで、回転速度が低下すると考えられる。
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