研究領域 | タンパク質分解による細胞・個体機能の制御 |
研究課題/領域番号 |
21025003
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
村山 明子 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (50431656)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
2010年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2009年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | CHIP / 癌細胞転移 / タンパク分解 / 癌細胞増殖 |
研究概要 |
本研究では、ユビキチンリガーゼCHIPと癌との関係を解析し、癌の足場非依存的増殖と腫瘍形成を促進する分子メカニズムを明らかにすることを目標とし、以下の結果を得た。 1】CHIPと抗癌剤に対する耐性 CHIPのノックダウンによって乳癌細胞の抗癌剤に対する耐性が上昇することが明らかとなった。作用機序の異なる抗癌剤を乳がん細胞株に処理したところ、CHIPをノックダウンした乳がん細胞株ではコントロールに比べアポトーシスを起こしにくいことが明らかになった。さらに、CHIPノックダウン細胞では、抗アポトーシス因子であるBcl2が高発現していることも判明した。この分子メカニズムについて検討したところ、CHIPがBcl2の発現量を制御するのではなく、もともとBcl2の発現量が多い細胞が選択的に生き残ってくる可能性が示唆された。 2】CHIPの発現量と癌の細胞内エネルギー代謝 CHIPをノックダウンした乳癌細胞株では、早期に培地が黄色に変化することを見出した。詳細に検討したところ、培地の乳酸濃度が高まっており、酸性に傾いていることが明らかとなった。癌では解糖系の亢進により乳酸を多く産生し、細胞外が酸性になり、癌の浸潤などに働くことが知られている。これまでに、CHIPノックダウン細胞は増殖や転移の亢進や薬剤耐性の獲得などの癌悪性化の表現型を認めている。今回の発見も癌の悪性化を進行させる原因の一つと考えられる。さらに詳細なメカニズムの検討を進めている。
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