研究領域 | タンパク質分解による細胞・個体機能の制御 |
研究課題/領域番号 |
21025013
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
藤本 豊士 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50115929)
|
研究分担者 |
藤田 秋一 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60282232)
鈴木 倫毅 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (80456649)
大崎 雄樹 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (00378027)
|
研究期間 (年度) |
2009 – 2010
|
研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
|
配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2010年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2009年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
|
キーワード | 脂肪滴 / アポリポプロテインB / プロテアソーム分解 / ユビキチン / アポリポ蛋白質 / プロテアソーム / オートファジー |
研究概要 |
肝細胞における超低比重リポ蛋白質(VLDL)形成の初期段階では、アポリポプロテインB100(ApoB)の翻訳に同期して脂質成分が付加され、脂肪滴がこの際の脂質を供給することが知られている。我々はこれまでの研究により、脂肪滴が、脂質付加されたApoBがプロテアソームやオートファジーで分解される足場ともなることを見だした。またこれらの蛋白質分解系を阻害すると、脂肪滴の周囲にユビキチン化したApoBが蓄積する特異な構造(ApoB-crescent)が出現することも明らかにした。プロテアソームで分解されるためには脂質付加後のApoBが小胞体内腔から細胞質側に輸送される必要がある。今回の研究ではその分子機構を明らかにするため、ApoB-crescentを大量に含む脂肪滴を精製し、質量分析法によるプロテオーム解析で複数の蛋白質分解関連分子を同定した。その内の1つ(X)の機能を阻害すると、脂質付加後のApoBは細胞質側に出ることができなくなり、Xが小胞体内腔から細胞質への逆行輸送に必須の成分であることが示唆された。また、他の蛋白質(Y)の発現を阻害すると、ユビキチン化されたApoBが脂肪滴の細胞質側表面に蓄積し、YがApoBのプロテアソームへの供与に必要であることが明らかになった。X,Yともに機能阻害によって小胞体内腔に脂質付加ApoBが蓄積し、特にYの阻害ではApoB分泌が有意に減少した。これらの結果は脂肪滴が脂質付加後ApoBの逆行輸送と分解の場であり、X,Yがその機構に重要な役割を果たす因子であることを示すものである。
|