研究領域 | タンパク質分解による細胞・個体機能の制御 |
研究課題/領域番号 |
21025033
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
榎本 和生 国立遺伝学研究所, 准教授 (80300953)
|
研究期間 (年度) |
2009 – 2010
|
研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
|
配分額 *注記 |
6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
2010年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2009年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
|
キーワード | ユビキチンリガーゼ / 神経突起 / パターン形成 / ショウジョウバエ / 転索ガイダンス |
研究概要 |
神経系において特異的に発するユビキチンリガーゼ様タンパク質を発見し、Dap(defective in axon patterning)と名付けた。DapはN末にRINGドメインを有するTIRM型ユビキチンリガーゼ構造をとり、線虫からヒトまで高度に保存されたアミノ酸配列をもつ。ショウジョウバエDap欠損変異体(null変異体)は発生、生存率、生殖率において大きな異常は見られないが、末梢感覚ニューロンの軸索末端のパターン形成に特異的な異常を見出した。Dap変異体では、樹状突起パターンに全く異常を示さないことから、Dapは軸索パタニング特異的な機能をもつと考えられた。 レスキコー実験の結果から、Dapは末梢ニューロンにおいて細胞自律的に働くことが明らがとなった。さらにレスキューには、C末のコイルドコイル・ドメインが必要であることから、蛋白質相互作用ドメインとして機能する可能性が考えられた。一方、Dapを他の末梢ニューロン(Dapの発現が低いニューロン)に異所的に高発現させると、転索パタニングに影響を及ぼすことから、Dapは末梢神経系の軸索パターンを規定する決定因子であると考えられた。 Dapと機能的相関をしめす遺伝子群の網羅的同定を行い、軸索ガイグンス因子Netrinとその受容体Frazzledを同定した。遺伝学的解析から、DapはNetrinシグナル上流で制御することが示唆された。現在、DapがどのようにしてNetrinシグナルを制御するのかを生化学的・遺伝学的な手法をもちいて検討している。
|