研究領域 | セルセンサーの分子連関とモーダルシフト |
研究課題/領域番号 |
21026012
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
塩見 邦博 信州大学, 繊維学部, 准教授 (70324241)
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研究分担者 |
安河内 祐二 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫科学研究領域 昆虫ゲノム研究・情報解析ユニット, 主任研究員 (50355723)
曽我部 隆彰 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(共通施設), 岡崎共通研究施設, 特任助教 (70419894)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2010年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2009年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | TRPチャネル / 発生可塑性 / 季節的多型 / 胚休眠 / カイコ |
研究概要 |
カイコの胚休眠誘導にみられる季節戦略は親子2世代にわたった独自の環境応答機構である。胚を25℃に保護すれば次世代卵は休眠し、胚発生初期で細胞分裂を停止し形態形成が停止する。15℃では次世代は非休眠卵となり、約1週間で幼虫が艀化する。このように、親が受けた温度条件により、子供(胚)の運命(表現型)が決定する。カイコの胚がどのようにして25℃と15℃の温度の違いを感受し、約1ヶ月後に行われる休眠ホルモン放出までの期間に温度情報を記憶しているのか、未だ不明のままである。我々は、カイコゲノム中に存在する全trpチャネルcDNAのクローニングし、休眠タイプの卵に二本鎖RNAを注射することによるRNAiにより休眠誘導に関係するtrp遺伝子をスクリーニングした。その結果、trpalのRNAiにより、非休眠卵が誘導された。次に哺乳類の培養細胞系を利用した細胞生理学的解析により、TRPA1の温度感受性能を調査した。その結果、TRPA1は活性化温度閾値を約20℃にもつ、温度センサーであることが分かった。また、植物成分由来の数種のリガンドによっても活性化されることが分かった。さらに、この遺伝子は胚期での強い発現が認められた。これらの結果から、TRPA1は胚期の20℃以上の保護温度を感受し、次世代の休眠性を規定するセンサー分子であることが示唆された。現在、胚期での発現細胞の同定、休眠ホルモン分泌との関連性を調査するとともに、リガンド剤による休眠の制御を試みている。
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