研究領域 | セルセンサーの分子連関とモーダルシフト |
研究課題/領域番号 |
21026023
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
久野 みゆき 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (00145773)
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研究分担者 |
酒井 啓 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (90382192)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
2010年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2009年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | プロトンチャネル / プロトンポンプ / 破骨細胞 / 生理活性 / 生理学 / 細胞・組織 / シグナル伝達 / 生体分子 |
研究概要 |
培養破骨細胞の細胞膜に発現するH^+チャネルの活性化条件とメカニズムについて研究を進めた。(1)細胞外Ca:細胞外Caは骨吸収の生理的抑制シグナルであり、破骨細胞にはCa受容体が存在する。また細胞外2価イオンの表面電位効果は電位依存性チャネルの一種であるH^+チャネルの開口閾値を制御し、細胞外Caを増加させると(5-40mM)、閾値が脱分極側に変位し、逆にCaを0.1mMに減少させると閾値、half activation voltageとも有意に過分極側に変位した。Mgも同様な効果があったがCaに比べ閾値変動は少なかった。Ca濃度を更に減少させても(0.01mM)それ以上の抑制はなかった。一方Caの効果は必ずしも一元的ではなく、CaがV-ATPase抑制やサイトーシスを誘起することから、細胞要因がH^+チャネル活性制御に関与する可能性も示唆された。(2)ファゴサイトーシス:クランプ下では食作用の指標となるzymosan粒子の取り込みが少なく、予め粒子を取り込ませた細胞でクランプを行った。保持電位(-80mV)の膜電流は不安定で、H^+チャネル電流は増強する場合と殆ど記録できない場合があり、食胞の形成・成熟の段階によってチャネル活性が異なる可能性が示唆された。(3)分化過程:細胞膜V-ATPaseの発現は分化の機能的指標である。H^+チャネル候補(VSOP分子)のsiRNAを導入を試みた。real-time RT-PCR産物が1/3以下になる条件下でV-ATPase電流を測定し有意差はなかったが、記録した個々の細胞における発現程度の確認など実験方法の改良が必要と考えられた。(1)-(3)で示唆されたH^+チャネルの活性化機構の解明はいずれも今後の重要な課題である。結果の一部は米国生物物理学会(2011年3月)、日本生理学会(2011年3.月)で発表した。
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