研究領域 | セルセンサーの分子連関とモーダルシフト |
研究課題/領域番号 |
21026026
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
出崎 克也 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90337329)
|
研究分担者 |
矢田 俊彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (60166527)
加計 正文 自治医科大学, 医学部, 教授 (90214270)
|
研究期間 (年度) |
2009 – 2010
|
研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
|
配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2010年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2009年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | 生理学 / 糖尿病 / インスリン分泌 / シグナル伝達 |
研究概要 |
本研究では、膵β細胞におけるグルコース代謝情報およびホルモン情報変換装置としてのKvチャネルとTRPチャネルを介した新たなインスリン分泌制御機構を解明し、そのセンサー情報統合メカニズムを明らかにすることを目的とする。 ラット膵島におけるKvチャネルの発現を検討した結果、Kv2.1チャネルのmRNA発現を検出し、二重免疫染色の結果、Kv2.1チャネルは膵β細胞に局在していた。Kvチャネル電流はグルコース濃度依存性を示し、Kv2.1チャネルブロッカーはラット分離膵島からのグルコース誘発インスリン分泌を促進し、β細胞のKv電流を抑制しグルコース刺激による[Ca^<2+>]_i上昇を増加させた。 自然発症2型糖尿病GKラットは正常Wistarラットと比較して、β細胞Kv2.1の発現が増大していた。K_<ATP>チャネルサブユニットKir6.2および2型糖尿病との相関が報告されている電位依存性K^+チャネルKCNQ1の膵島発現レベルは、GKラットとWistarラットで同程度であった。 単離膵β細胞のKvチャネル活性を電気生理学的に比較すると、GKラットではβ細胞Kvチャネル電流が増強していた。Kv2.1チャネルブロッカー存在下ではGKラットβ細胞におけるKvチャネル電流の増強が観察されなかった。 TRPM2ノックアウトマウスは、グルコースやGLP-1刺激によるβ細胞[Ca^<2+>]_i上昇とインスリン分泌が低下していた。 以上より、膵β細胞ではKv2.1チャネルやTRPM2チャネルがβ細胞インスリン分泌およびそのホルモン制御機構のセンサー分子として機能していると考えられる。また、2型糖尿病ラットβ細胞では、Kv2.1分子の発現増大によりKvチャネル電流が亢進しており、Kv2.1の発現機能亢進が糖尿病態におけるβ細胞インスリン分泌不全に関与することが示唆される。
|