研究領域 | セルセンサーの分子連関とモーダルシフト |
研究課題/領域番号 |
21026027
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
仲嶋 一範 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90280734)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
2010年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2009年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 発生・分化 / 神経科学 / 腦・神経 / 細胞移動 / 大脳皮質 |
研究概要 |
発生期大脳皮質の脳室面で最終分裂を終えた神経細胞の多くは、その直上(multipolar cell accumulation zone, MAZと命名)で多極性の形態をとって長時間留まり、多極性移動(multipolar migration)と命名した特徴的な挙動を示す。多極性移動細胞は外界を探索しているような動態を示すため、これらの細胞自身で受容体が発現し、細胞外にそのリガンドが存在するような組み合わせの分子群を検索した結果、その一つとしてBMPとその受容体を見いだした。これらは、いずれも脳室帯からMAZにかけて局在が観察され、確かに多極性移動細胞に受容体タンパク質が分布することを確認した。BMPは、脳室帯に存在する神経幹細胞に対してはその分裂/分化の制御に関わることが知られているが、MAZに局在する多極性移動細胞は既に分裂を終えた神経細胞であるため、脳室帯における機能とは異なる機能を有すると考えられた。そこでまずBMP受容体の下流について検討したところ、古典的な下流分子であるSmadのリン酸化は脳室帯にしか見られず、MAZ内の多極性移動細胞では陰性であった。一方、MAZの多極性移動細胞においては、BMP受容体の下流で機能することが他の細胞で知られているLIMK1のリン酸化型が局在していることを見いだした。つまり、同じリガンド/受容体の組み合わせが、未分化な神経幹細胞と分裂を終えた移動神経細胞とでは下流分子を使い分けることによって異なる機能を発揮する可能性が考えられた。
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