研究領域 | 植物メリステムと器官の発生を支える情報統御系 |
研究課題/領域番号 |
21027018
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
伊藤 正樹 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (10242851)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
2010年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2009年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 細胞周期 / サイトキネシス / 転写制御 / 植物 / 細胞増殖 / シロイヌナズナ |
研究概要 |
植物のG2/M期特異的遺伝子の上流域には共通のシスエレメント(MSAエレメント)が存在し、そこにR1R2R3-Myb転写因子が結合する。このうちMYB3R1とMYB3R4は転写活性化因子として、MYB3R1, MYB3R3, MYB3R5の3個の因子は転写抑制因子として機能することを明らかにしている。本年度は転写抑制因子として働くMybの機能解析を進めたほか、myb3r4破壊株のエンハンサー変異体の一つ(gig1変異体)について研究を行った。具体的には以下のことが明らかになった。 ・myb3r1/3/5三重破壊株におけるG 2/M期遺伝子のレポーター発現の解析から、が分裂を停止してエンドリプリケーションを起こした細胞にも異所的に見られることから、MSAエレメントの機能の1つは増殖を停止した細胞においてプロモーターの抑制状態を維持することであり、この働きMYB3R1/3/5の結合により実現しているということが示唆された。 ・MYB3R1/3/5はMSAエレメントに結合して転写開始を抑制するドミナントリプレッサーであると考えられた。 ・myb3r1/3/5三重破壊株では、胚柄における過剰な細胞分裂が生じる。この表現型はCYCB1;1遺伝子の破壊を組み合わせることにより部分的に回復することから、CYCB1;1遺伝子の過剰な発現が細胞分裂の異常を引き起こしていると考えられた。 ・gig1表現型はAPCの活性化因子であるCDC20.1の過剰発現によって促進されるほか、cycb2 ; 2変異によって促進された。これらの結果から、GlG1は細胞周期中でAPCの活性を抑制する調節因子であり、CYCB2などのAPC標的タンパク質の量を適切にコントロールすることにより、M期の進行および終了を制御していると考えられた。
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