研究領域 | 植物メリステムと器官の発生を支える情報統御系 |
研究課題/領域番号 |
21027031
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
出村 拓 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (40272009)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
2010年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2009年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 維管束 / 道管 / VND転写因子 / 二次細胞壁 / 転写カスケード / VNI2 / サプレッサー変異体 / マッピング / 細胞運命 / 転写制御 / サプレッサー変異 |
研究概要 |
維管束系の全ての細胞はシュート頂と根端のメリステムから連続する幹細胞である維管束前形成層・形成層(すなわち維管束メリステム)に由来するが、維管束メリステム中の隣り合った未分化な細胞がそれぞれ異なる機能を持った維管束細胞へと分化していくメカニズムについてはほとんど分っていない。本研究では、道管の分化を制御するマスター因子として機能するVND7を中心として、VNDファミリーの発現と機能の制御機構を詳細に解析することで、維管束メリステムからの細胞運命の決定機構を明らかにすることを目的とした。今年度は、VND遺伝子の発現を人為的に誘導できる形質転換体を作出したところ、VND6やVND7だけでなく他のVND遺伝子の過剰発現によっても異所的な二次細胞壁の誘導が観察された。一方、VND遺伝子の多重変異体を作出したところ、道管形成の異常が観察された。これらの結果は、VNDファミリーは協調的に道管分化を制御していることを示している。また、トランジェントアッセイによって全てのVND転写因子がVND7の発現を正に制御しうることが明らかとなった。この結果はVNDファミリー間に転写制御のカスケードが存在することを示唆している。VND7の機能制御を理解するため、相互作用因子の探索を行い、NAC転写因子をコードするVNI2を単離した。詳細な解析の結果、VNI2はVND7の転写活性化能を阻害することで、道管分化を負に制御することが明らかとなった。また、VND7-VP16-GRを導入した形質転換体を作出したところ、DEXによる誘導処理により極めて効率よく道管細胞への分化転換を誘導できることが明らかとなった。これまでに、この形質転換シロイヌナズナの表現型を抑制するサプレッサー変異体29ラインを単離し、現在バッククロスが完了した7ラインの表現型解析とマッピングを行っている。さらに、VND7-VP16-GR形質転換体を用いることで、VND7により発現が直接制御される遺伝子の同定に成功した。
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