研究領域 | 重い電子系の形成と秩序化 |
研究課題/領域番号 |
21102510
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤本 聡 京都大学, 理学研究科, 准教授 (10263063)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2010年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2009年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 空間反転対称性 / 超伝導 / 電子相関 / 強磁性 / トポロジカル秩序 / マヨラナフェルミオン / 上部臨界磁場 / スピン揺らぎ |
研究概要 |
以下の研究成果を得た。 (1)空間反転対称性のない超伝導や重い電子系超伝導体CeCoIn5等で実現が示唆されている、磁場中での不均一な超伝導状態におけるベリー位相起源のホール効果について調べた。磁性体等では、磁気秩序変数の空間変調に起因するベリー位相が擬似的なローレンツ力を生み出してホール効果を誘起することが知られているが、これと類似の効果が超伝導秩序変数の空間変調によっても引き起こされることを理論的に示した。 (2)空間反転対称性のない重い電子系超伝導において、non-Abelian topological相、およびMajorana fermionの実現可能性について調べた。通常、トポロジカル秩序はギャップレス励起が存在すると不安定になることが知られているが、ある条件下では、重い電子系の非s波超伝導体のように超伝導ギャップにノードがある場合でもMajorana fermionが安定に実現できることを示した。また、重い電子系超伝導体CeRh(Ir)Si3において実現可能であることを示した。 (3)強磁性超伝導体UCoGeの巨大上部臨界磁場の起源を調べた。この系においては、自発磁化と平行に磁場を印可した場合、上部臨界磁場が著しく小さいにも関わらず、これと垂直方向に印可した場合には極めて巨大な上部臨界磁場が現れることが実験で観測されている。この現象の起源を理論的に説明するために、最近のNMR実験から得られた、磁気臨界ゆらぎの特徴を取り入れた理論計算を行なった。その結果、上述の実験事実が良く説明できることを示した。また、この系において特徴的な磁気揺らぎの性質が特殊なバンド構造に由来する可能性について指摘した。
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