配分額 *注記 |
9,100千円 (直接経費: 7,000千円、間接経費: 2,100千円)
2010年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2009年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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研究概要 |
1,CeIrSi3の中性子回折実験による磁気反射の探索 H22年度は,CeRhSi3の磁気波数ベクトルk=(0.215,0,0.5)が観測された(HOL)の散乱面に集中し,探索を試みた.その結果,k=(0.215,0,0.5)に近い波数において,CeIrSi3の磁気反射を初めて観測した.但し,a*成分だけでなく,c*成分も格子非整合の波数ベクトルであった.磁気反射強度の温度依存性からネール温度が5.0Kであり,これまでの各種物性測定と一致していることも示された.なお,試料のサイズが大きいため中性子吸収効果が大きく,磁気構造(磁気モーメントの向き,大きさ)の決定には至っていない. 2,CeRhSi3の単結晶育成と中性子非弾性散乱実験 H22年度は,CeRhSi3の中性子非弾性散乱実験のため,マッフル炉を用いたフラックス法により単結晶試料を育成したが,十分な試料の確保に至らず中性子散乱実験は不首尾に終わった. 3,CeIrSi3のX線回折実験による結晶構造 育成されたCeIrSi3の単結晶試料の結晶性の評価のため,イメージングプレートによるX線ラウエ写真撮影だけでなく,CCDカメラによる単結晶X線回折実験,並びに単結晶を粉末化した試料による粉末X線回折実験を行った.ラウエ写真からは奇麗なラウエスポットが観測され,正方晶試料であることを確認できた.また,単結晶X線回折より正方晶系の8つの空間群まで絞りこむことができた.なお,粉末X線回折からは,H+K+L=2n(nは整数)の消滅則が確認でき,上記8つの空間群の条件である.結晶構造に反転対称性のある空間群であるかどうかの決定は,今後の課題である. 4,希釈冷凍機温度における物性測定環境の構築 H22年度に希釈冷凍機を設置する部屋の確保ができ,ようやく設置が可能となった.現在希釈冷凍機を整備中であり,各種物性測定装置も開発中である.
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