研究領域 | 重い電子系の形成と秩序化 |
研究課題/領域番号 |
21102521
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
住山 昭彦 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 教授 (30226609)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2010年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2009年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 空間反転対称性 / スピン一重項超伝導 / スピン三重項超伝導 / 重い電子系超伝導体 / ジョセフソン効果 / 自発磁化 |
研究概要 |
本年度は、空間反転対称性のない超伝導体としてCePt_3SiとLaPt_3Siを主な研究対象とし、Alとの間でのジョセフソン効果について調べた。まず、CePt_3Siについては、新たに製作したジョセフソン素子でも、以前観測された異方性、即ちa軸方向では零磁場付近で最大値を示すフラウンフォーファー型の臨界電流の磁場特性が見られるのに対し、c軸方向ではランダムに変化する磁場特性が得られたので、これらの素子を、3軸磁化測定システムに入れて、磁場特性を調べた。その結果、3次元的に残留磁場をなくした状況で磁束のトラップを防止しても、やはり異方性が再現されること、いずれの電流方向でも、印加磁場の方向の反転に対して非対称な、時間反転対称性の破れを示唆する特性が得られることが分かり、LaPt_3Siとの共通性が確認された。一方、LaPt_3Siについては、電流方向がa軸方向の場合にはフラウンフォーファー型の磁場特性が得られていたが、昨年度の研究で磁場の方向をこれまで印加していたc軸方向ではなくa軸方向に変えて測定すると、同一の素子でもランダムに振動する磁場特性に変わることが見られたので、LaPt_3Si内の秩序変数の位相の変動を仮定したシミュレーションで解析を行ったところ、適当な変動状況下ではそのような磁場方向依存性が再現できることがわかった。また、磁束のトラップや位相の変動の影響を避けるため、これまでの1/5程度の幅を持つ接合を製作して磁場特性を調べたところ、電流がa軸、c軸いずれの方向でも零磁場付近で最大値をとるようになったが、依然として印加磁場の方向の反転に対して非対称な特性を示しており、観察された時間反転対称性の破れがCePt_3Si、LaPt_3Siの本質的な問題であることを示唆している。
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