公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本課題研究の目的は、光子と電子という異なった量子間の動的量子相関を、共通の自由度で透るスピン量子性に着目して理解し、観測し、制御し、さらにはその根底にある新原理を探求することである。この目的に向け、研究代表者の有する「スピン状態転写」と「スピン状態トモグラフィ」の基礎技術を生かし、電子と光子が互いに及ぼし合うスピントルクを実験的に検証し、電子と光子の間の交換相互作用について探究した。初年度のH21年度は、電子スピンが光スピンへ与えるスピントルク効果について調べた。これに対し最終年度のH22年度は、初年度とは逆に光スピンが電子スピンへ与えるスピントルク効果について調べた。具体的には、初年度の実験において、電子を生成するポンプ光と電子スピンの状態を観測するプローブ光の間に新たに制御光を加え、この制御光により電子スピンの状態を任意に制御することを試みた。この際ポンプ光、制御光、プローブ光の強度、位相はそれぞれ独立かつ任意に波長、時間、偏光を制御できるようにした。その結果、偏光を固定したポンプ光を用いても、制御光の強度および位相によって電子スピンの状態を任意に制御することができることを、実験的および理論的に明らかにした。本効果は光スピンが電子スピンに与えるトルク作用と捉えることができ、電子スピンが与える光スピンペのトルクの反作用と言える。本研究は基底無依存のスピントルク効果を検証し、スピン交換相互作用の光子、電子相互への作用を及ぼすことを明らかにしたものである。
すべて 2011 2010 2009
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 10件) 学会発表 (32件) 図書 (2件)
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