研究領域 | 素核宇宙融合による計算科学に基づいた重層的物質構造の解明 |
研究課題/領域番号 |
21105501
|
研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
|
研究機関 | 名古屋大学 (2010) 筑波大学 (2009) |
研究代表者 |
山崎 剛 名古屋大学, 基礎理論研究センター, 特任助教 (00511437)
|
研究期間 (年度) |
2009 – 2010
|
研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
|
配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2010年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2009年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 素粒子論 |
研究概要 |
原子核は核子(陽子と中性子)束縛状態であり、強い相互作用により束縛されている。しかし、クォークとグルーオンで記述された、強い相互作用の第一原理、量子色力学から原子核が構成されるかを理論的に検証する事は非常に難しい。この問題の大きな原因は、強い相互作用の閉じ込めの性質のため、解析的な摂動論的計算が非常に難いためである。そのため、第一原理から原子核を計算するには非摂動論的計算方法が必要である。本研究では、数値的に非摂動論的計算が可能な格子量子色力学を用いて、原子数が小さな原子核に注目し、第一原理計算により原子核が構成されるかを検証する事を目的とした研究を行った。 束縛エネルギーが比較的大きなヘリウム原子核について、昨年度に研究を行い、ヘリウム原子核計算の膨大な計算コストを減らす方法を提案し、この方法を用いた試験的な計算から、クォーク質量が非常に重い領域ではヘリウム原子核が構成されている事を示唆する結果を得た。今年度、この結果が学術雑誌フィジカルレビューDに掲載された。 当該年度の研究では、最も単純な原子核である二体核子束縛状態に注目した。これまでの二体核子系の研究では、クォーク質量が重い場合、束縛状態は現れないと考えられていたが、この仮定を検証した研究は存在しなかった。本研究では、ヘリウム原子核の研究で用いた解析方法よりも詳細な解析を行う事により、非常に重いクォーク質量でも二体核子原子核が束縛される事を示す結果を得た。この結果は論文としてまとめ、フィジカルレビューDへ投稿予定である。
|